TOP靴のお手入れに関するQ&Aメーカーによるクリームの特徴
最終更新日 : 2019/07/10

メーカーによるクリームの特徴

サフィールというフランスのシューケア用品を作っているメーカーがありますね。 あのメーカーのシュークリームには蜜蝋(みつろう)が入っているそうです。 J、Mウエストンのクリームも同様だそうですが、蜜蝋入りのクリームと普通の蝋のモゥブレィのクリームとではどちらを使うべきでしょうか。 また、普段はニュートラルを使っていますが、色の付いたクリームはどの位の頻度で使用したらよろしいでしょうか。 よろしくお願いいたします。

クリームの種類と使い分けに関しては、一度わかりやすく書きたいと思っていました。
ただ、これが正解というように、答えが一つというわけではなく、ご自身で工夫したり、こだわったり、
という楽しみ方もありやと思いますのでガイドライン的に参考にしていただければ、幸いです。
ここでは、質問にありましたサフィールとモゥブレイで、代表させていただきます。

クリームの成分は表示にあるように、蝋(ろう)、油脂、有機溶剤、それと水から成っています。
まず、その水分の比率によって次のようにわかれます。

モゥブレイ>サフィール>缶入りワックス

次に、蝋の種類の違いがあります。

・モゥブレイ・・カルナバ蝋(植物性)艶がでやすい
・サフィール・・蜜蝋(動物性)革との相性がよい、稀少で高価

ー光沢の出やすさー
サフィール≧モゥブレイ

ー革への浸透性、相性ー

モゥブレイ≧コルド>缶入りワックス

だいたいこんな感じですが、缶入りワックスは、別ワクとしてコルドは、フタを開けたときの匂いからして、何かを予感させます。実際に使って みると、すべてにおいてワンランク上です。それに量を考えると決して価格も高くはありません。

次に乳化性クリームの件ですが、モウブレイについては3種類あります。
・デリケートクリーム(無色)
・アニリン用クリーム(無色)アニリン染めの革に使う。シミを作らない。
・普通のクリーム(各色)

特徴は
ー艶の出かたー

普通のクリーム≧アニリン>デリケート(出ない)

ーシミになりにくいー

アニリン≧デリケート>普通のクリーム

デリケートクリームは、鞄や家具等にも使えるようになってますので別ワクとして、アニリンと普通のクリームの無色の使い分けは、アニリン 革の場合はもちろんですが、乾燥している革の場合などに下地処理として塗ります。
(いきなり同色のクリームを塗るとシミになる可能性があるので)アンティーク仕上げの靴は、その風合いを損なわない為に無色を勧められた のだと思います。
色付きのクリームをいつ使うかは、無色のクリームだけ使っていると、どうしても色が褪せてくるので上記の要領で使っていただいたらよいと 思います。
頻度に関しては、多くなれば色が濃いくなって、少なければ逆なので、ご自身で楽しみながらやっていただければよいと思います。
あと、余談ですがクリームを塗るとき、ハケを使うかどうかは、ハケを使うとコバとのすき間のようなところまで届くかどうかの差です。