靴の修理・百科事典

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つま先が減るのですが Part 1

新しい靴をおろして履きますと、どうしても先が減ります(日本人の特性だそうですが)。あるところでは、 「最初に爪先だけゴム等を貼った方がいい」とのアドバイスがありました。 確かにもともと爪先にゴムや金属を貼っているものがあります。しかし、とあるところでは「爪先が減ってくるが、そのあとのソール張替えを チェックするいい機会になるので、そのままにして履いてくれ」との話しでした。あまりナーバスになる必要がないのかもしれませんが、どん な感じでしょうか?(男性)

A 新しい靴のつま先の減り、これに関してはご家庭で簡単に履き降ろす前にできる事があります。
まず、何故減るのか?それは摩擦が起きるからです。ただ立って いても、どこも減りません。 歩いた時、着地する際のかかとの部分、そして足が地面を蹴りながら離れる際のつま先です。 特に新しい靴とか、ダブルソールのような底の固い靴によく起こるでしょう。 それは、靴が足の曲がり方に合わせて曲がってくれないため、本当なら、ソールの前半分で支えるところを (歩いて後ろに足がきた時)爪先だけで支えなければならないからです。
体格がよくその分体重もある欧米の方は、当然サイズも大きく靴が理想的に曲がってくれる (ソールの厚みは同じですから、サイズが大きいほど曲がりやすい、サイズが25センチでダブルソールともなると、ほとんど厚底状態) ので、日本人だけの特徴という表現になったのでしょう。

1.ビフォアケア 「靴を手で持って、曲げて癖をつける」

これは簡単で、実に効果的です。
減りを軽減するには、あらかじめ靴の後ろと前を持って折り曲げるだけで、まったくつま先の減り方が変わります。
といっても新しい靴を折り曲げるのには少し躊躇しがちです。大丈夫なのか?でも、よく考えてください、靴は履けば本来そのように曲がるものなのです。
靴の雑誌「LAST」(Esquire Magazine Japan)の vol . 6 ので紹介されています記事「ビスポーク体験 最終報告」の中で、コルテというフランスの靴メーカー (オーナーは修行時代には「ジョン・ロブ」や「ベルルッティー」といった名門・世界的な靴ブランドメーカーでも責任者を勤めたことのある) でオーダーされて出来上がった靴のフィッテイングの際に、靴を曲げてフィッティングさせるシーンがあります。(下記写真②参照)

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「LAST」(Esquire Magazine Japan) vol . 6 より

株式会社エスクァイア マガジン ジャパン 様のご協力により記載させていただいています。

ホームページアドレス
http://www.esquire.co.jp
どうです、グイグイ曲げてやってください、驚くほど違いますから。これが新しい靴を履きおろす場合の常識です。


2・アフターケア 「減ったつま先だけを補修する」

減ってから合成ラバーか革で減った部分を補修します。少しくらいなら減っても問題ありません。
肝心なのはソールを過ぎて、ウエルト部分(横から見たときにソールの上に付いている厚み2ミリくらいの革の部分)を減らさない(傷めない)ことで、それまでに補修を行ってください。
爪先に合成ラバーを付けるのは邪道のような気もしますが、つま先部分なら通気性を妨げるわけでもないし、革より耐久性もあるので今後のメンテを考えたら僕は合理的だと思います。

爪先が減ったのが、ソールの張替のチェックにはなりません。 車に例えるとFF 車の前のタイヤが先に減ったから、全部を替えるようなものです。 この時、後輪にあたるのが、ソールの前半分の真ん中あたりです。その部分が、指で押してみてかなり薄くなっていたら、張替になります。
要は減りやすいつま先やかかとだけを補修で直し、ソール全体を上手く使い切るということですね。