TOP靴のお手入れに関するQ&Aお手入れによって汚れから靴を守る
最終更新日 : 2019/07/10

お手入れによって汚れから靴を守る

6年前に友人からプレゼントされた革製のローファーがあります。 明るい水色の珍しい革色だったので、気に入って履いていました。 当時は手入れの方法も知らないので、多少汚れても気にせず履いていたのですが、 それを見かねた祖母が水洗いをしてしまいました。 おそらく使用した洗剤は、洗濯用の合成洗剤です。 キレイになったのですが、パサパサになりツヤがなくなりました。 ついでに色も落ち、なぜか汚れやすくなりました。靴の側面の黒い汚れが特にとれません。 プレゼントなので捨てたくないし、出来るだけ活用したいのです。

靴を”お手入れする”とか”磨く”というのは、どいういことか?と言いますと、次の2つで要約されます。

1、革を良い状態に保つ。
2、色・ツヤを含めて見た目にきれいにしながら雨や汚れから靴を守る。

では貴女の靴が何がなされて、何がなされなかったか?となると

行われたこと : 革用ではないが洗剤で洗って表面の汚れ(蝋分の皮膜)を落とした。
行われなかったこと : その後の保革・保護のお手入れをしなかった。

革用の石鹸(サドルソープ)なら、洗っても保湿効果があるのですが、普通の洗剤では油分が抜けてカサカサになってしまいます。
つまり、真夏に朝顔を洗ってスッピンのまま日焼け止めクリームも塗らずに、一日中外にいた、みたいな状態です。 そんな恐ろしい事ができますか?(笑) 若い頃ならすぐに回復もしたでしょうが これは靴、若いどころか死んでるわけですから、そのあたりの準備は絶対です。

もう一度お手入れの基本を

1、ステインリムーバー(革用クリーナー)で汚れを落とす。
2、浸透性の良い乳化性クリームで水分・油分を補給。
3、色を補色しながら表面に皮膜を作ってツヤを出し汚れや雨からの保護。

まず(1)ですが、汚れても簡単に落ちるということはありません。落としやすくしてやるビフォアケアが必要です。 イレズミのように革に染み込んでしまわないように(拭いても落ちないですね)してやるんですね。
そこでまず(3)になるのですが”ツヤ”の正体とは、革の表面に薄く作られた皮膜、その正体は蝋分です。 これは普通の乳化性クリームや缶入りのポリッシュに含まれます。これを表面に施しておく事によって、 汚れが直接革に届きにくくしながら、防水効果も得られます。
そして(1)に戻るのですが”汚れを落とす”とは、その”表面の皮膜を落とす”ということで、 それをしないとその皮膜の上に更に皮膜を重ねる(お化粧の厚塗り状態)ことになり、それ自体が汚れと同じものとなっていきます。
ですから目に見える汚れと同時に、皮革に残っている古いクリームやワックスを除去する、と言う事なのです。
ですからこれには汚れを落とす専用のものではなくては意味がなく、汚れを落としながらツヤも出す、みたいなものでは、中途半端なのです。

(2)、(3)に関しては、すでに回答済みの「お手入れの基本的なこと Part 1~3」 「クリームの種類と使い分け」を」ご参照ください。
ちなみに防水スプレーでもこの皮膜効果は得られません。これに関してもご参照ください。

貴女の靴が今からどのくらい回復するかわかりませんが、以上が基本です。