心筋虚血・心筋梗塞
酸素の需要と供給のバランスが崩れることによる心筋の酸素不足を指します。梗塞とは、酸素不足が進み、心筋細胞が壊死した状態のことを言います。
心筋異常
心筋が厚くなる、薄く引き伸ばされて広がった状態になるなど心筋に病的な変化が起こっていることです。
その結果、血液を送り出す機能が低下します。
左室肥大
左室の心筋が厚くなり、心臓自体が硬くなることで心臓のポンプ作用が低下します。高血圧性左室肥大、スポーツ心臓などが原因として考えられます。
心房細動
心房が不規則、無秩序に興奮していることです。この状態が続くと心臓から出ていく血液量が減り、心不全などの合併症を起こしやすくなります。また、心房内に血液が滞るため血栓が形成され、脳梗塞原因になります。
期外収縮
本来のリズムよりも早く心臓が収縮してしまう不整脈のことです。ストレスや睡眠不足、喫煙、飲酒などが原因になることが多く、不整脈の中で最も多くみられます。
- 心房性期外収縮:健康な人では、自覚症状がなければ治療を要しません。
- 心室性期外収縮:回数が少ない場合には、治療を要さないことが多いですが、病気の徴候として現れたり、突然死の引き金になることもあります。頻回に起こる場合には治療を要します。
右脚・左脚ブロック
心臓には電気信号を心室に伝える3本の枝(右脚、左脚前枝、左脚後枝)この3枝のどこかのブロックされた場合を「脚ブロック」といいます。脚は補い合うため、1枝がブロックされてもほかの2枝から電気信号が伝わるため問題のないことがほとんどです。しかし、左脚ブロックは、重篤な病気が隠れている可能性が高いので、精密検査を要します。
房室ブロック
心房から心室への電気信号を送る経路がブロックされ、電気信号がうまく伝わらない状態のことをいいます。重症度によってⅠ~Ⅲへ分けられ、場合によっては、ペースメーカーが必要になります。
洞性徐脈
1分間の脈拍数が60回以下に減少するものです。激しい運動や力仕事をしている人、高齢者、睡眠時など、心臓に異常がなくてもおこります。場合によっては、ペースメーカーが必要になります。
洞性頻脈
1分間の脈拍数が100回以上に増加するものです。多くの場合は、精神的興奮や緊張、発熱、運動など一時的で治療を要しません。検査の度指摘される場合は、精密検査を受けましょう。
※正常脈拍:60~80回/分
WPW
心房と心室を直接繋ぐ副伝導路(Kent束)が生まれつき存在し、興奮が通常よりも早く心室に伝わるものです。脈拍数が200回/分ほどの頻脈になる発作性の不整脈を合併したり、心停止を招くこともあります。
低電位
電気的興奮のエネルギーが体表面に伝わりにくい状態で、肥満やむくみによるものがほとんどです。多くの場合、精密検査の必要はありません。
軸偏位
右心房から右心室・左心室へと続く電気の流れが傾いていることをいいます。これらの所見が単独でみられる場合は特に心配ありません。高血圧症など左室肥大がある場合にみられることもあります。
- 右軸偏位:電気の流れが右側に偏って いることです。痩せている 方や子どもにしばしばみら れます。
- 左軸偏位:電気の流れが左側に偏って いることです。肥満の方、 高齢者、妊婦にしばしば みられます。
移行帯ずれ
移行帯は右心室と左心室の境目の位置を表すものです。
体格に関係する場合が多く、これだけでは特に心配ありません。
R-R′
R波は血液を左心室から大動脈に送り出すときに生じます。R波と次のR波の間隔が通常よりも長い状態をR-R′といい、脈が少ないことを表しています。精密検査の必要はありません。