TOP乳がん検診マンモグラフィでよくある所見を知りたい
最終更新日 : 2024/02/26

マンモグラフィでよくある所見を知りたい

腫瘤

何かの「かたまり」があるということです。形状・境界および辺縁・濃度であらわします。

①形状:全体から受ける印象により決定します。

乳がん1.png

②境界および辺縁

乳がん2.png
  • 境界明瞭平滑
  • (上図)スピキュラを伴う
乳がん3.png
  • 境界不明瞭
  • (上図)微細分葉状・微細鋸歯状

③濃度:濃度は乳腺実質の濃度と比較して評価します。

  • 脂肪濃度を含む
  • 低濃度
  • 等濃度
  • 高濃度

※高濃度乳房とは乳腺密度が高いためにマンモグラフィで「白く」写る乳房のことです。
マンモグラフィでは、がんも白く写るため見つけにくいことがあります。高濃度乳房と指摘された方は、乳腺密度の影響を受けない超音波検査も併せて受診することが推奨されています。

石灰化

良性の石灰化は2~3mm、あるいはそれ以上と大きいのが特徴で、石灰化の7割以上は良性の石灰化です。
明らかな良性石灰化の多くは、平滑な辺縁の円形で石灰化が1つやまばらにあったりします。0.5mm以下の石灰化は、良性か悪性か判断が必要になります。その場合、形態と分布で判定します。

① 形態 a) 微小円形 b) 淡く不明瞭 c) 多形性・不均一 d) 微細線状・微細分枝状

② 分布

乳がん4.png

その他の所見

(1)局所的非対称性陰影
マンモグラフィによるX線撮影では一般に左右の乳房の陰影がほぼ対照的にうつりますが、左右が非対称である場合は、そこに何らかの病変が考えられています。腫瘤というほど輪郭がはっきりしていない、あるいは腫瘤の様なものの色目が薄い場合などに局所的非対称性陰影といいます。

(2)構築の乱れ
乳腺は、乳首を中心に放射状に広がっています。しかし、それに交差するように線が走って乳腺がとぎれていたり、どこか一部分が引きつれていたりするような場合は、そこに何か隠れている場合があります。手術をしたり炎症が起こったあとは、その部分が引きつれることがありますが、ある種のがんは周囲の組織を引き込みながら大きくなっていくものがあり、このような場合も乳腺にひきつれや断裂が見られます。

(3)非対称性乳房組織
左右の乳房を比較して乳房の濃度が高いもの、あるいは乳管がより目立つものをいいますが、通常心配はいりません。