TOP各部門との調整・準備について12.  SNマッピング/SNナビゲーション手術を始める際に、病理医と相談すべきことは何ですか?
最終更新日 : 2025/08/29

12.  SNマッピング/SNナビゲーション手術を始める際に、病理医と相談すべきことは何ですか?

SNマッピング/SNナビゲーション手術においては偽陰性が問題となり得ることから生検の診断精度を上げるために適切な病理学的診断が必要になります。婦人科悪性腫瘍センチネルリンパ節ナビゲーション手術の指針においては病理診断について以下のように推奨しています。「推奨すべき病理診断法は術中診断、永久標本での診断にかかわらず、SNの病理学的検索は通常のHE染色を基本とする。SNに対する標本作製方法については、提出されたすべてのSNを原則短軸方向に2 mm間隔で細切し、標本を作製する。免疫組織化学染色は必須ではないが、必要に応じて併用する。」
しかしながら、これには病理医の先生方の多大なエフォートが必要となります。施設により所属する病理医の人数や仕事量が異なるため、すべての施設で一律に、上記のような対応を依頼するのは困難だと思われます。

したがって、病理医とあらかじめ、
・迅速病理診断が可能か。可能であれば日時、個数、検体処理・作成方法
・永久病理診断の方法(免疫染色や2mm切片をさらに切り込むウルトラステージングの有無など)
などについて、事前に相談しておく必要があります。

加えて、分子生物学的転移診断法の一つであるOne-step nucleic acid amplification(OSNA)法は婦人科がんで薬事承認されましたが、実施する場合は、測定機器・試薬を購入する必要があり、この検査を病理部で行うのか、検査部で行うのか、産婦人科内で行うのかなどの調整が必要になります。