SLNマッピング/SLNナビゲーション手術においては偽陰性が問題となり得ることから生検の診断精度を上げるためにウルトラステージングが必要になります。日産婦および日本婦人科腫瘍学会の定めるセンチネルリンパ節生検実施指針においては「SNNSは短軸2mmスライスの標本を作成し診断できる病理診断体制の下で実施することが望ましい」としております。また、婦人科悪性腫瘍センチネルリンパ節ナビゲーション手術の手引きにおいては病理診断について以下のように推奨しています。「推奨すべき病理診断法は術中診断、永久標本での診断にかかわらず、SLNの病理学的検索は通常のHE染色を基本とする。SLNに対する標本作製方法については、提出されたすべてのSLNを原則短軸方向に2 mm間隔で細切し、標本を作製する。免疫組織化学は必須ではないが、必要に応じて適用する。」
しかしながら、これには病理医の多大なエフォートが必要となります。施設により所属する病理医の人数や仕事量が異なるため、すべての施設で一律に、上記のような対応を依頼するのは困難です。
一方で、標本作製方法によって検出される病変は変化します。たとえば、2mmスライスでは標本にITCの病変を認めても、ウルトラステージングによって微小転移が認められることもあることは留意しておく必要があります。
したがって、病理医とあらかじめ、
・診断の限界とウルトラステージングの必要性
・迅速病理診断が可能か。可能であれば日時、個数、検体処理・作成方法
・永久病理診断の方法(ウルトラステージングの方法、免疫染色の施行など)
などについて、事前に相談しておく必要があります。
加えて、分子生物学的手法の一つであるOne-step nucleic acid amplification(OSNA)法を行う場合は、機器を購入する必要があり、この検査を病理部で行うのか、検査部で行うのか、産婦人科内で行うのか調整が必要になります。また術前の生検材料でCK19の発現を確認しておく必要があります。
また病理診断のSLNで検出されるITC(孤立腫瘍細胞)・微小転移・マクロ転移の診断やその限界については、項目19にまとめていますので、そちらもご参照ください。