TOPトラブルシューティング2025/05/02 ミラロボ(v1.40.3)の不具合について 
最終更新日 : 2025/05/09

2025/05/02 ミラロボ(v1.40.3)の不具合について 

【概要】

最新のミラロボ(v1.40.3)にアップグレードされたお客様で、今まで動作していたシナリオが一部、正常動作しなくなる事象が発生しております。該当するシナリオ、正常動作しなくなる理由、および回避方法をご案内致します。

この度は、ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。
本件に関してサポートが必要な場合は、サポートセンターへお問い合わせくださいますようお願いいたします。

【正常動作しなくなるシナリオ】

下記の条件を全て満たしているシナリオは、ミラロボ(v1.40.3)をもって、正常動作しなくなる可能性がございます。

  • 「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」コマンドを使っている
  • 「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」コマンドで、Google Chrome v136を起動している
  • 「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」コマンドの設定で、「プロファイルパス」の設定欄が空である、もしくは標準的なプロファイルパス(※)が設定されている。

【正常動作しなくなる理由】

Google Chrome(v136)の仕様変更により、ウェブドライバーなどでGoogle Chromeの自動操作を行う際に、標準的なプロファイルパスを引き継げなくなりました。セキュリティを考慮しての仕様変更とされています。

https://developer.chrome.com/blog/remote-debugging-port

そのため、ミラロボから「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」コマンドを使ってGoogle Chrome(v136)を起動すると、標準的なプロファイルパスを設定されているシナリオは動作しなくなる事象が発生します。

【回避方法】

下記の手順で、非標準的なプロファイルパスを設定することで、「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」は正常動作します。

1.普段お使いのGoogle Chromeのユーザデータフォルダを、非標準的な場所に複製する。
例)
 「 C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Google\Chrome\User Data 」を、
 「 C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Chrome\User Data 」にコピーする。

2.シナリオ内でお使いの「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」コマンドの「プロファイルパス」を、複製先のフォルダに設定する。
例)
 「 C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Chrome\User Data\Default 」※
 ※注:「\Default」を付け足す必要アリ
3.コマンドプロンプト(cmd)を起動する。

4.コマンドプロンプトで、次のコマンドを入力し、実行する。すると、Chromeが新しいプロファイルパスを使って起動する。
start chrome --user-data-dir="C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Chrome\User Data"
※注:--user-data-dir=の後のパスには、②で複製したパスを入力する。「""」も必要である。

5.④の手順でChromeが起動したら、画面を確認する。もし下記のようなプロファイル選択画面が出てきた場合、右下の「起動時に確認する」チェックボックスのチェックを外して、使いたいプロファイル名をクリックする。もし画面が現れなかった場合、⑥に進む。

choose_profile.png

6.もしGoogleアカウント利用のプロファイルをお使いの場合は、右上に「本人確認を行ってください」ボタンが表示される、それをクリックし、Chromeの画面通りにGoogleアカウントの本人確認を進める。もしGoogleアカウントを利用していない場合は、⑦に進む。

verify_profile.png

7.Google Chromeを閉じる。

8.ミラロボのシナリオ内でお使いの「ブラウザ起動(ユーザ情報引継ぎ)」コマンドの「プロファイルパス」を、②の複製先のフォルダに設定する。今まで空欄だった場合は、「\Default」を付け足す。今まで「\Profile 1」などを使っていた場合は、「\Profile 1」を付け足す。
例)「 C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Chrome\User Data\Default 」
例)「 C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Chrome\User Data\Profile 1 」
※注:必ず「\Default」や「\Profile 1」を付け足すこと

変更前の例

default_userprofile.png

変更後の例

custom_userprofile.png

上記の手順を実施していただくことでGoogle Chrome(v136)でユーザ情報を引き継いだ場合でも、ブラウザはエラーなく起動するようになります。
ただし、実際には新しいプロファイルが作成されているため、各サイトへの再ログインを行っていただきCookieの再構築が必要となります。

【補足】

「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」コマンドの仕組みについてご説明します。
「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」コマンドは、PCのユーザーが普段使用する際に、そのユーザー独自の識別情報が記録された「プロファイル」というものを参照してブラウザを起動しています。
そのことによって、普段使用しているブラウザの環境を再現して開くことができ、サイトによっては認証を必要とする場合も既知のブラウザと認識してスムーズに開くことが可能になっています。

上記の回避方法をとっていただくことで、「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」コマンドは複製されたプロファイルを参照してブラウザを開きますので、
PC操作者が普段使用するブラウザが参照するプロファイルと、「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」が参照するプロファイルとは、別々のものとなります。

従いまして、この設定変更以降に、新たにログインが必要なサイトでの操作をミラロボでシナリオ化する場合、シナリオ作成時に一度「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」でアクセスし、そのまま手動でログインを行うという処理が必要になる場合があります。
そうすることで、「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」が参照するプロファイルに当該サイトへのアクセスに必要な認証情報が書き込まれ、次回以降のアクセスがスムーズに行えるようになります。
※この処理の必要性はサイトによりますので、普段人が操作しているブラウザでの挙動と、「ブラウザ起動(ユーザ情報引継)」での挙動が異なる場合は、上記処理をお試しください。