TOP14. 特別な配慮を要する参加者NO.102 募集型企画旅行の参加者から健康アンケートをとりたいが問題はあるか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.102 募集型企画旅行の参加者から健康アンケートをとりたいが問題はあるか?

質問: 募集型企画旅行の申込を受ける際に健康アンケートをとろうと思うが、もしこれを行った場合、例えば、食物アレルギーがあると回答があったときは放っておいたらまずいか。

【回答】

 仮に“健康アンケート”として旅行者に対するヒアリングを行うのであれば、当該アンケートの目的を明確にし、申出の内容に対する適切な措置を検討しておくべきでしょう。

 もし、漠然とアンケートを取るだけならば、旅行者から具体的な申出があれば旅行業者は適切に対応しなければならず、いたずらに旅行業者の責任を加重することになりかねません。

 旅行者は、アンケートを提出することで、「問題が起こらないように手配をしておいてくれる。」、「旅行中、何かあったら(黙っていても)旅行業者が必要な措置を講じてくれる。」というような期待を持つことになります。

 これが例えば食物アレルギーであれば、「アレルゲンのある食材を除外した食事を用意してくれているはずだ。」、「アレルゲンが混じらないような設備で調理した食事を出してくれているはずだ。」、「何かあった場合には添乗員が最善の措置をとってくれるはずだ。」といった期待となります。このような期待に応じて一定の対処をすることが、旅行業者の「信義則上の義務」(これも契約上の義務となります)となる可能性があり、何もしないで放っておいてアレルギーに起因する事故が起きた場合には、損害賠償の責任が生じることになるかもしれません。

 これらの懸念を考慮すると、特別な配慮を必要とする旅行者については標準約款の規定に基づいて申出を行ってもらい、旅行業者としては可能な範囲内でこれに応じる、とするのが適切だと思われます(募集型企画旅行の部第5条4項)。