TOP21. 特別補償NO.162 旅行者の希望により帰国便を遅らせる場合、旅行日数が延びた分の日程は特別補償の対象外にできるか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.162 旅行者の希望により帰国便を遅らせる場合、旅行日数が延びた分の日程は特別補償の対象外にできるか?

質問: 成田発のヨーロッパツアー(12日間の募集型企画旅行)に申込んだお客様が、最後の滞在都市ロンドンでのホテルチェックアウト後に娘の家に滞在したいので帰りの航空便を3日間遅らせて欲しいと希望している。3日後のフライトは手配できるが、その間のロンドン滞在中に当社は何の手配もしていないので特別補償の対象外にしたい。なお、オリジナルの日程は11日目にホテルをチェックアウト、その日の午後にロンドンを発ち12日目に成田着となっていた。

【回答】

 企画・実施旅行業者は、旅行サービスの手配を一切しない日(旅行地の標準時による)を設定した場合は、特別補償規程による補償金・見舞金の支払いを行わない旨を契約書面に明示すれば、その期間中は旅行者を「企画旅行参加中」とせず、特別補償の対象外にすることができます(特別補償規程第2条2項後段)。旅行サービスの手配を一切しない期間中の旅行者の行動についてまで旅行業者が特別補償責任を負担するのは合理的ではないからです。

 また、「旅行広告・取引条件説明書面ガイドライン」では、旅行サービスの手配を一切しない日を「無手配日」と記述するように定めています。

 仮に当初の企画段階からロンドンで無手配日を設定するとすれば、11日目のホテルをチェックアウトした日と14日目のロンドン発の航空便については手配をしていることになりますので、日程表には「12日目から13日目まで無手配日」とし「当コースの12日目の午前零時から13日目24時までの2日間(現地の標準時)の期間は、当社によりホテル、航空機等の手配を行っておりません。当期間(無手配日)にお客様が被った損害については当社約款に基づく補償金等の支払いの対象とはなりません。」と記載することになります。

 本問では、帰国便の変更を申し出た旅行者に限って特約を結ぶことになりますので、上記を記載した日程表と、「お客様のご旅行日程及び旅行条件は本書面記載の内容となります。お客様は、この内容を承諾いたしました。」と記載した書面を2枚用意して1枚を交付し、あと1枚にはお客様の署名と日付を記入してもらい保管してください。

 こうしておけば、万一、無手配日に事故が発生した際でも特別補償に関するトラブルを回避できるでしょう。