質問: 当社の募集型企画旅行のお客様から最終日程表等の発送手数料として、旅行代金とは別に500円程度の郵送費相当額を徴収することは可能か。
【回答】
最終日程表(確定書面)は、旅行契約締結時に交付する契約書面において、確定された旅行日程や利用する運送若しくは宿泊機関の名称を記載できない場合に、後日期限を定めて交付しなければならない書面です(標準約款募集型企画旅行の部第10条1項)。
このように、最終日程表は旅行契約上の義務に従って交付するものなので、交付に際して発生する費用を旅行者に追加して請求することはできません。
また、弁済をするべき場所については、当事者の意思表示によって定まらないときは、原則として、債権者の現在の住所においてしなければならないと定められています(商法第516条、民法第484条1項)。この原則に従えば、最終日程表は旅行者のご自宅住所で引き渡すことになりますので、引渡しの手段として郵送等の手段を用いる場合は、その際の発送費用については旅行業者が負担するべきということになります。
一方で、旅行者が発送手数料を負担することに同意していれば良いのではないかという意見もありそうですが、「旅行者の不利になる特約」として無効とされる可能性があるでしょう(同約款第1条2項)。
なお、お客様の引っ越しなどにより発送費用を増加させたような特別な事情があるときは、その増加額をお客様に請求することは可能です(民法第485条但し書き)。