TOP24. コロナウイルス対応NO.171 政府の要請による旅行契約解除において取消料は収受できるか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.171 政府の要請による旅行契約解除において取消料は収受できるか?

質問: 新型コロナウイルス感染症の発生により「政府の要請」を背景とした教育委員会からの要請を受けて、学校から修学旅行(受注型企画旅行)を中止したい旨の連絡を受けている。取消料は収受できるか。

【回答】

 標準約款受注型企画旅行の部第16条2項3号では、旅行者が旅行開始前に取消料を支払うことなく契約の解除ができる場合として、「天災地変・・・官公署の命令その他の事由が生じた場合において、旅行の安全かつ円滑な実施が不可能となり、又は不可能となるおそれが極めて大きいとき」と規定しています。

 本問の「政府の要請」や「教育委員会の要請」は「要請」ですから法的拘束力はなく、約款の規定である「官公署の命令」には当たりません。

 また、「官公署の命令」とまでは言えなくとも、「その他の事由」と判断する余地があると思われますが、ここで重要なのは後段の「旅行の安全かつ円滑な実施」が不可能なのかどうか、ということです。前段の「天災地変・・・官公署の命令その他の事由が生じた場合」は、その前提条件でしかありません。

 客観的に旅行の実施が危険であると見られない限り、旅行者には取消料なく旅行契約の解除をする権利はなく、旅行業者は旅行業約款に基づく取消料の収受が可能です。