TOP12. 手配旅行契約の引受と成立NO.95 企画旅行の日程表に「延泊部分は手配旅行になります」と明示しても良いか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.95 企画旅行の日程表に「延泊部分は手配旅行になります」と明示しても良いか?

質問: 募集型企画旅行の参加者から、「延泊したいので、その手配をして欲しい。」といわれている。手配旅行で引き受けたいのだが、「延泊部分は手配旅行になります。」と最終日程表に書いておけばよいのか。

【回答】

 旅行者からの申出による延泊のホテルの手配については、当該部分を別途の手配旅行として引き受ける方法と、募集型企画旅行契約の特約として引き受けてしまう方法が考えられます。どちらで引き受けるかは旅行者と旅行業者とで話し合って決めることになります。

<手配旅行契約として引き受ける場合>

 当該延泊分について手配旅行契約としての取引条件説明書面を交付し申込を受けることが必要ですが、以下の点に留意してください。

・本体の募集型企画旅行の最終日程表(確定書面)には 延泊部分の表示はせずに、「自由行動(ホテル無し)」などと記載してください。

・延泊に伴い帰路の運送機関の利用日の変更が行われると思いますが、こちらは募集型企画旅行契約の内容となりますので、新たな利用日に利用する旨の表示が必要となります。

・旅行者は募集型企画旅行参加中に延泊のホテルに宿泊することになるので、旅行業者は旅行開始時から終了時まで特別補償責任を負うことになります。

・厳密には延泊のホテル部分に限り旅程管理債務は負わないものの、その前後の旅行サービスについての旅程管理責任を負うので、実質的には延泊のホテルについても旅程管理に準じた配慮をする必要があるでしょう。なお、旅程保証債務は負いません。

<募集型企画旅行契約の特約として引き受ける場合>

 旅程の一部を変更(延泊のホテルを追加し、帰路の運送機関の利用日を変更する等)することになり、これによりあらたに設定した旅行代金を記載した取引条件説明書面を作成することになります。

 この場合、変更を申し出た旅行者が契約内容を理解できるのであれば、例えば旅行申込書の「お客様控え」に必要事項を記述して交付する方法でも差支えありません。なお、最終日程表(確定書面)には、延泊のホテルを含めて表示しなければならず、また、延泊のホテルを含めて旅程管理債務、旅程保証債務を負うことになります。