TOP24. コロナウイルス対応NO.172 感染症への対応で航空会社は取消料を免除しているのに旅行業者は取消料を収受するのは如何なものか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.172 感染症への対応で航空会社は取消料を免除しているのに旅行業者は取消料を収受するのは如何なものか?

質問: 新型コロナウイルス感染症への特別対応として、A航空会社では、国際線・国内線の航空券に対する予約便の変更や払戻しについて、取消手数料や払戻手数料を免除している。オーガナイザーからは、航空会社が手数料など免除している折に、旅行業者が団体旅行(受注型企画旅行)の取消料を収受するのは如何なものかと言われて困っている。約款の解釈では取消料を本当に収受しても良いか。

【回答】

 そもそも募集型・受注型企画旅行契約とは、複数の旅行サービス提供機関の利用料金の内訳を明示せずに一定額の包括料金として旅行代金を定めて取引をするものであり、その取消料も「旅行代金の〇%」と一定額で精算をすることで迅速な取引を可能としているのが特徴です。

 その際、取消料には旅行契約の解除に伴い旅行業者が旅行サービス提供機関に支払う取消料・違約料などの実費のほか、取消に要する役務の対価なども含まれています。

 また、取消料の額は、個別の取引には関係なく、過去の取引実績から取消のされた時期により旅行業者に生じるであろう損害を平均化・類型化して定められています。

 したがって、特定の旅行契約で使用する航空便について取消手数料が免除されることがあっても、本来個別取引には関係のない旅行契約の取消料は影響を受けません。

 しかしながら、少しでも出費を抑えたい旅行者の、「航空便の取消手数料が免除なのに・・・」と思う感情も理解できます。

 旅行業約款の解釈では、旅行業者が取消料を収受できる場合であっても、その取消料の全額を収受しなければならないというものではありませんので、営業判断において、例えば所定の取消料からA航空会社が免除する取消手数料・違約料に見合う額を縮減するなどしてオーガナイザーに請求するといった対応も可能であると考えます。

 オーガナイザーに対しては、十分な説明を尽くしたうえで、柔軟な対応が望まれます。