TOP20. 旅程保証NO.149 フライトが遅延したためホテルや観光に変更が生じても、変更補償金の支払いは免責か?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.149 フライトが遅延したためホテルや観光に変更が生じても、変更補償金の支払いは免責か?

質問: 以下の募集型企画旅行の日程で「成田 - デトロイト」便が遅延したために、次の便に乗り継ぐことが出来ず、代わりにマイアミに行きそこでの宿泊となった。更にスケジュールが遅れたため翌日のナスカ地上絵観光ができなかったが、航空機の遅延が原因なので変更補償金の支払いは不要で、当社には全く責任がないと考えて良いか。なお、計画にあたってはMCT(ミニマムコネクティングタイム)はショートしていない。

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【回答】

 旅程保証という点だけに注目すれば、航空機の遅延(当初の運行計画によらない運送サービスの提供)が原因ですので変更補償金の支払いは免責されます(標準約款募集型企画旅行の部第29条1項1号ヘ)。

 通達「旅程保証の適用について(国総旅振第388号平成17年2月28日)」によると『「当初の運行計画によらない運送サービスの提供」が原因となって発生した運送・宿泊機関等の名称の変更については、目的地到着日に利用予定のものに限って、補償を要しない』こととなっています。

 これに照らして考えると、「成田-デトロイト」便の遅延により、目的地であったリマに到着したのが旅行2日目ですので、この日に発生した変更(観光のカットも含む)については、補償をする必要はありません。

 しかし一方で、日程中に乗継ぎが2度もあるようなハードなスケジュールであることから、この旅行の企画自体に無理があったのではないかとの疑いが残ります。円滑な旅行を実施するためには、企画段階においてMCTがショートしていないことのみで判断せず、過去の遅延発生の事例を確認したり、万一遅延が発生しても旅程管理債務を尽くせるように乗り継ぎ時間にも余裕を持たせるべきです。

 そのうえで、結果的に遅延が発生してやむを得ず日程を変更したものであれば、「当社の関与し得ない事由が生じた場合」(標準約款募集型企画旅行の部第13条)として変更が認められ、旅行者に対して賠償責任(同第27条2項)が生じないと言えるでしょう。