質問: 募集型企画旅行において、契約書面では入場観光施設として記載のあったストックホルムの市庁舎が確定書面交付前に当局の命令によって入場できなくなった。この変更は、旅程保証では免責事由(運送・宿泊機関等の旅行サービス提供の中止)に該当するので、旅行者に解除権は生じないと理解して良いか。
【回答】
旅行者は、旅程保証制度にもとづく変更補償金を収受する権利(標準約款募集型企画旅行の部第29条1項)とともに、取消料を支払うことなく契約を解除する権利(同第16条2項1号)を持っています。これらはそれぞれ異なる規定ですので、変更補償金の支払いについて免責となったからといって旅行者の解除権まで免責になるものではありません。
本問のように、入場観光地に入場が出来なくなったことは別表第2上欄の二に該当し、「契約内容に重要な変更が生じた場合」に該当しますので、旅行者は取消料を支払うことなく契約を解除することが出来ます。
なお、旅程保証における変更補償金の支払いの対象となるのは、「別表第2上欄に掲げる契約内容の重要な変更」に限定されますが、旅行者による解除権の行使にあたっては、「別表2上欄に掲げるものその他の重要なもの」として、別表第2に掲げられている事項以外の「重要な変更」でも対象となる点に注意が必要です。この場合に「重要な変更」に当たるかどうかは個別のケース毎に判断することになります。