質問: 企画旅行契約において、コンサートチケットのように買取りをしなければならないものは、旅行者がキャンセルをすると当社には大きな損害が発生してしまう。チケットだけを別に手配契約として引き受けた場合の注意点はあるか。
【回答】
企画旅行契約の内容からコンサートチケットのみを外して別の手配契約とする場合は、ツアータイトルに当該コンサート名を入れることは出来ません。
また、日程にコンサート会場への送迎バスがついているのであれば、取引条件説明書面等の日程表には「ホテル=コンサート会場(自由行動)=ホテル」等と記載してコンサート自体とは切り離すことが必要となります。
なお、「自由行動」の記載は“便宜上のもの”なので、貴社が同時にコンサートチケットを手配していることから、信義則上、コンサートの開催に間に合うように会場に到着する等の旅程管理責任を負うものと考えられます。
また、企画旅行参加中の自由行動になりますので、コンサート会場における事故等についても、旅行業者は特別補償責任を負うことになります。
「○○コンサートツアー」というように、入場に際して入場券が必要な施設やその施設のイベントの名称をツアー・タイトルに記載する募集型企画旅行の場合は旅行代金に入場券代金を含めなければいけません。
したがって、旅行業者による買取りの場合でも、チケット代金分だけ別枠で旅行者から徴収することは原則としてできません。
ただし、例外として、入場券が「記名式であることその他の理由により他人への譲渡が禁止されている場合」に限り、契約を解除した際にその入場券を旅行者が買い取ることを旅行契約締結の条件とすることができるとしています。その際には「買取り」である旨と入場券代金額、入場券の引渡し時期を旅行代金に近接して記載する必要があります(通達「企画旅行に関する広告の表示基準等について」(国総旅振第387号) 2、(4)、マル1 マル2・3、(5)、マル6)。
このように一定の要件の下で旅行者に「買取り」をしてもらえば旅行業者の損害を防止することは可能です。ただし、実態として当該入場券が譲渡可能な状況にある場合はこの取扱いはできません。