質問: 旅行代金20万円のフリープラン型の募集型企画旅行に申し込んだお客様が、これに加えて代金2万円の追加プランも申し込んだ。その後、追加プランのみをキャンセルした場合、取消料の算定基礎となる旅行代金は2万円か、それとも22万円か。
【回答】
募集型企画旅行商品の中には、航空座席の隣席確約や延泊等の追加アレンジを「追加プラン」等と称して別代金で設定しているものがあります。このような「追加プラン」は、基となるツアーがあって初めて存在するものですので、独立した代金設定がなされていても基となるツアーの契約の一部であると考えるべきでしょう。
そうすると、募集型約款には旅行者からの契約内容の変更についての規定がありませんので、旅行者が「追加プラン」だけを解除したいとする要望を通すためには、必然的に一旦全ての旅行契約を取り消してもらうこととなり、この場合の取消料の算定基礎額は22万円となります。そのうえで、あらためて「追加プラン」抜きのコースで申込んでもらう、という手順になります。
しかし、この理屈だけでは取消料の額がそもそもの追加プラン代金を超えてしまう場合など、実際の取引において不整合が発生するケースもありえます(この場合は旅行者は追加プランを無断で放棄するなどの手段を取るでしょう)。
また、この「追加プラン」が例えば個別販売もしているミールクーポン等である場合には、基となるツアーとは別々の販売契約であるという理屈も成り立つ余地があり得ます。
そこで実務では、旅行業者に実損害が発生せず、あるいは発生しても追加プラン等のみの価額を算定基礎額として取消料を請求すれば実損害が補填される場合には、当該実損額を取消料として請求するなどの柔軟な対応が現実的でしょう。