TOP21. 特別補償NO.158 無料参加の幼児の特別補償はどうしたらいいか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.158 無料参加の幼児の特別補償はどうしたらいいか?

質問: 母親一人の申込みであったが、旅行開始日当日幼児を伴って参加してきた。仕方がないので幼児は無料で参加させることにしたのだが、特別補償までは対象としなくて良いか。

【回答】

 無料参加の幼児であっても、特別補償の対象となります。

 民法第3条に「私権の享有は出生に始まる。」と定められておりますので、法律上は幼児も大人同様に一人前の資格があるとされています。したがって、旅行代金が有料か無料かを問わず、例え幼児であっても契約上は一人の人間として取扱う必要があります。

 運送や宿泊サービスにおいては、小児や幼児について約款上で明確に定義している例もあり、国際運送約款(例)では、運送開始時点で12歳以上は大人、2歳以上12歳未満は小児、2歳未満は幼児と定めています。また、モデル宿泊約款では小学生以下に子供料金を適用する旨を定めています。

 このように、小児や幼児については運賃・料金等で大人とは異なった取扱いがあることと、幼児に対するサービス提供業者の責任等が、大人に対するそれと同様であることを明確にしています。

 標準旅行業約款には、大人、小児、幼児の定義はありませんので、小児用の旅行代金や幼児用の旅行代金を定めたり、あるいは、大人と同額にする等については旅行業者の判断によることとなります。

 本問では、旅行業者が当日、集合場所で参加受付を行なう際に予め申込みのなかった幼児の参加を認めてしまったのですから、この幼児も参加者の一人として取扱わなければなりません。旅行代金0円で旅行業者が旅行契約を成立させたものと推定されますので、特別補償も対象となります。