TOP16. 旅行者による契約の解除NO.195 参加人数の一部減員は不可とする旅行条件は可能か? 
最終更新日 : 2025/11/27

NO.195 参加人数の一部減員は不可とする旅行条件は可能か? 

質問: ダイナミックパッケージ(募集型企画旅行)において、2名1組での旅行契約を締結する場合に、「参加者の一部減員は不可」とする旅行条件は有効か。1名がキャンセルする場合は、一旦2名1組の旅行契約全体を解除した上で、解除時期に応じた2名分の取消料を収受する。残る1名については新規に旅行契約を締結してもらうことにしたい。

【回答】

 「参加者の一部減員は不可」という旅行条件を適用させた場合、旅行者は自由に旅行契約を解除することができない、ということになります。旅行者による契約解除の権利は、標準約款募集型企画旅行の部第16条にて「いつでも別表第一に定める取消料を当社に支払って募集型企画旅行契約を解除することができます。」として確保されているものです。これを覆して「参加者の一部減員は不可」とするのは、旅行者の不利になる特約であるとして無効となる可能性が高いと思われます(同第1条2項)。

 また、消費者契約法第10条に規定される無効事由に該当し、「旅行者の利益を一方的に害する特約」として無効となる可能性も考えられます。

 以上の考えから、「参加者の一部減員は不可」とする旅行条件は適切とはいえません。2名1組という団体・グループ契約であっても、契約はそれぞれの旅行者との間に成立していますので、キャンセルの申出があった1名分についてのみ、その時点で適用される取消料を収受するべきでしょう。

 なお、旅行業者が、旅行計画の実施自体に必要不可欠となる参加条件(例えば、「男女2名1組であること」を条件としている旅行サービス提供業者がある場合における当該条件等)を、あらかじめ明示していたにもかかわらず、これを満たさないこととなったとき、旅行者は旅行契約を解除せざるを得ず、この場合は、旅行者は取消料を支払わなければならないこととなります。

※消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

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