質問: 募集型企画旅行に申し込んでいた旅行者から旅行開始日の14日前に旅行を取り消すとの通知があった。当社は旅行代金を返金する手続を進めていたところ、都合が付いたのでやはり参加したいと申出があったが、すでにコースは満席であり再度の申込みは不可能であった。旅行者は「旅行代金を返してもらっていないから、取消しは成立していない。」と主張しているが、どう考えるべきか?
【回答】
取消の撤回に応じる必要はありません。
標準旅行業約款では「契約」に関する一般ルールについては規定していないので民法の規定に従うことになりますが、民法では契約の解除をするには当事者の一方的な通知だけでよく、相手方の承諾などはいりませんし(第540条1項)、ひとたび契約を解除してしまった以上は、後で撤回することはできません(同2項)。
また、新たな申込みがあっても、既にコースが満席となっていることから旅行業者が契約に応じることができないのであれば致し方の無いことであり、旅行業者に責任はありません。
なお、旅行業者は、取消料を差し引いた旅行代金の残額を解除の翌日から7日以内に旅行者に返金しなければなりません(標準約款募集型企画旅行の部第19条1項)が、このことと解除の効果の発生とは関係がありません。