TOP12. 手配旅行契約の引受と成立NO.94 券面金額とは異なるレートで仕入れた観劇チケットの販売はどうすれば良いか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.94 券面金額とは異なるレートで仕入れた観劇チケットの販売はどうすれば良いか?

質問: 手配旅行契約の内容の一部として、券面金額 10,000 円の観劇チケットを特別なルートを通じて 8,000 円で仕入れることができた。この場合、8,000 円に当社の旅行業務取扱料金 1,000 円を加えた 9,000 円でお客様に提供することになるのか。それとも券面金額をベースにした 11,000 円で販売しても良いのか。また、このチケットにはプレミアが付いていて 30,000 円で仕入れた場合はどうなるのか。

【回答】

 特別なルートで観劇チケットを仕入れた場合は仕入れた価額の8,000 円に旅行業務取扱料金 1,000 円を加えた旅行代金9,000 円で、そしてプレミアがついて30,000 円で仕入れた場合は31,000 円で旅行者に提供することになります。

 手配旅行契約は、旅行業者が旅行者からの依頼により「自己の計算において」ではなく「他人の計算において」旅行サービスを手配する契約です。サービス提供業者等の「他人」が値付けをした対価に貴社の手配の対価である旅行業務取扱料金を加えた額の合計額のみを旅行代金として請求することになります。本来は10,000 円の観劇チケットを特別なルートを通じて8,000 円で仕入れた(手配できた)場合であっても、券面額の10,000 円で販売すれば貴社が「自己の計算において」値付けしたことになってしまうので、手配旅行契約では残念ながらこのような取扱いはできません。

 なお、観劇チケットの手配のみを手配旅行契約とは切り離してしまい、単なるチケットの手配を目的とした無名契約として引き受ける(申込書や精算も別建てにする)ことができれば、ご質問のような値付けは可能になると考えられます。

 ただし、令和元年6月14日から施行された「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」により、業として興行主やその委託を受けた販売業者の事前の同意を得ないで販売価格を超える金額で有償譲渡することは禁じられていますので、注意が必要です。

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