質問: 国内旅行の観光中に旅行者が地元の人(被害者)と肩がぶつかり、被害者が転倒したはずみに手首を骨折した。その旅行者は、「誰かに背中を押されたため被害者にぶつかったのであり、私のせいではない。」と言っているが旅行業者としてどうしたら良いか。
【回答】
国内の事故の場合、刑法の「過失傷害罪」に該当する可能性もありますが、肩がぶつかっただけでは刑事事件になることはありません。
本問のケースでは、被害者が加害者に対して損害賠償を求める裁判をおこし、その裁判のなかで事実を明らかにするしか方法はないと思われます。
その場合、旅行業者としては、その場にいた添乗員やガイドから、その事故発生の際の状況、経緯をできるだけ詳しく報告させて記録として残しておき、後に備えることが必要です。
また、旅行中に傷害事故が起きた場合は、たとえそれが不注意によって起きた事故であっても、まず、事故発生地の警察に連絡すべきです。警察の事故証明が後日役立つことが多いからです。
なお、旅行業者は事故の直接当事者ではない以上、旅行者と被害者との紛争に積極的に介入したり、一方当事者にのみ援助するような態度は取るべきではありません。