TOP16. 旅行者による契約の解除NO.131 本人以外の者から旅行契約の解除の依頼を受けたがどのように取り扱えば良いのか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.131 本人以外の者から旅行契約の解除の依頼を受けたがどのように取り扱えば良いのか?

質問: ご高齢の旅行者から申込みを受けて旅行契約を成立させたが、その息子から「親は認知症の傾向があり、1人参加はとても心配なのでそちらから(旅行業者)参加を断って欲しい。また親には息子からこのような申し出があったことは言わないで欲しい。」との連絡を受けた。どのような取扱いをしたらいいのか。

【回答】

 息子さんが旅行者の成年後見人、保佐人又は補助人ではない限り、息子さんは旅行契約に係る「取消権」を行使することはできません。可能な限りご本人から解除いただくように息子さんに案内してください。

 本問では、息子さんは標準約款募集型企画旅行の部第17条1項2号(旅行者が病気、必要な介助者の不在その他の事由により、当該旅行に耐えられないと認められるとき)又は同3号(旅行者が他の旅行者に迷惑を及ぼし、又は団体旅行の円滑な実施を妨げるおそれがあると認められるとき)を適用して旅行業者側からの解除を望んでいるものと思いますが、息子さんからの申し出内容だけでは、客観的に旅行業者側からの解除事由があるとは言えず、旅行業者側から旅行契約を解除することは合理的ではありません。

 また、今回の息子さんのように「本人には言わないで欲しい。」と前置きして切り出されることが多いのですが、「お話を聞いた後でなければ、本人にお話ししないとはお約束しかねます。ご本人に連絡させて頂かなければならないこともあります。」と、具体的な話に入る前にこちらの立場を明確に伝えることも必要です。そして、1人で旅行に行くことが可能なのかをよく話し合ってもらい、無理であればご本人から解除の申し出をお願いするべきでしょう。

 なお、入院等の理由で直接ご本人から旅行業者への連絡ができない(又は旅行業者の方からご本人に連絡がつかない)場合で、取消手続きを委任する旨の委任状すら作成できない状態である場合には、代理人となる息子さんには、委任状を書くことができない理由について診断書等の提出を受けて明確にしてもらうとともに、代理人の本人確認書類を添えて、書面にて取消の申し出を行っていただくことがトラブル防止になるものと思われます。

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