質問: A社が企画実施する国内募集型企画旅行に参加した旅行者が、そのフリータイム中にB社が企画実施するオプショナルツアーにも参加して事故に遭遇して死亡した。この場合の特別補償はA社・B社のどちらが行うものか。あるいは双方が行うものか。
【回答】
B社の企画・実施するオプショナルツアーの参加中の事故ということで、B社から補償金等が支払われることは勿論、A社の企画旅行参加中でもあり、A社も補償金等を支払わなければなりません。
特別補償規程では、「企画旅行日程に定める最初の運送・宿泊機関等のサービスの提供を受けることを開始した時から最後の運送・宿泊機関のサービスの提供を受けることを完了した時までの間」を「企画旅行参加中」と規定し、その期間に生じた急激かつ偶然な外来の事故によって身体傷害を被ったときに、補償金等を支払う旨規定しています。その上で、「企画旅行参加中」に当たらない場合として、いわゆる「企画旅行の行程から離脱した期間」と「無手配日」の二つを挙げ、これらの期間に生じた事故については補償の対象としていません(特別補償規程第2条2項の要旨)。
まず、「離脱」とは、旅行の行程を「旅行者が離脱及び復帰の予定日時をあらかじめ旅行業者に届け出ることなく離脱したとき又は復帰の予定なく離脱したとき」をいいます。本問では、B社の募集型企画旅行に参加したとはいえ、A社の旅行の自由行動日のことであり、このことをもって旅行の行程から離脱したとは言えません。
また、「企画旅行参加中」とはしない「無手配日」の要件については、次の二つがあげられています。
(1)旅行者が企画旅行業者の手配に係る運送・宿泊機関等のサービスの提供を一切受けない日(旅行地の標準時による。)が定められていること。
(2)上記(1)の旨及び当該日に生じた事故によって旅行者が被った損害に対し補償金及び見舞金の支払いが行われない旨を契約書面に明示してあること。
本問のように、宿泊機関が手配されていて日中の手配がないだけの「自由行動日」は、無手配日には該当しません。
これらのいずれにも該当しないことから、A社・B社ともに死亡補償金の支払いが必要となります。