TOP14. 特別な配慮を要する参加者NO.100 執行猶予中の旅行者とはどのように対応するべきか?
最終更新日 : 2024/03/18

NO.100 執行猶予中の旅行者とはどのように対応するべきか?

質問: 海外ハネムーン旅行を申し込もうとしている男性が、「自分は執行猶予中の身であるので無事に出国できるか、また旅行先国へ入国できるかどうかを調べてくれ。」といってきたが、どう調べればよいか。このような旅行者と旅行契約をして問題ないだろうか。

【回答】

 執行猶予期間中の者であっても、日本を出国すること自体が禁止されているわけではありません。執行猶予の言渡しの際、保護観察に付されることもあります(刑法第25条の2)が、保護観察に付された者であっても保護観察所の長の許可を受ければ出国することは可能です。

 いずれにしても、執行猶予中にどのように振舞えば良いかは、ご本人が一番よく知っているはずであり、旅行者が出国できるか否かは旅行業者が確認できることではないので、ご自身で確認していただくよう案内する必要があります。

 一方、世界の各国は、我が国と同様に自国の安全を脅かす者や自国に不利益をもたらす者の入国を制限しており、国ごとに違いはあるものの入国に際しては健康で犯罪歴のないことを確認の上、これを許可することが一般的です。特に犯罪歴のある者については、国ごとに独自の資料に基づいて独自の判断基準で入国を制限しています。このため、執行猶予期間中の者が旅行先国に入国できるか否かは、その犯した犯罪の種類などによって扱いが様々ですので、これも同様にご自身で当該国の大使館・領事館に確認するよう案内する必要があります。その上で、旅行者ご自身に参加するか否かを決めてもらってください。そして、必要があればビザを取得していただくことを参加の条件とすることになりますが、ビザは旅行先国への入国申請の要件の一部であり、ビザが取得できたら必ず入国できるという性格のものではないことも、必ず説明するとともに取引条件説明書面に記載する必要があります。

 なお、旅行契約を締結後にこれらの制限を理由に旅行が中止されるのであれば、この場合は旅行者の任意解除として取り扱って差し支えありません。