質問: 旅行業者のインターネット販売サイトを見ると、ときどき「特定商取引法に基づく表示」という項目を見かけますが、この表示は必要なのでしょうか。
【回答】
訪問販売や電話勧誘販売、マルチ商法等消費者トラブルが生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルール等を定めた法律が「特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)」です。
新聞、雑誌、インターネット等で広告し、購入の申し込みを行う取引方法は通信販売としてこの法律の規制を受けますので、販売価格、代金の支払い時期や方法等主務省令で定める事項を表示しなければなりません(特商法第11条、特商法施行規則第3節)。
しかし、この法律は他の法令で消費者の利益を保護することができると認められるものは適用除外としており、旅行業者や旅行業者代理業者が行う旅行業には適用がありません(特商法第26条1項8号ハ)。
したがって、旅行業務に関する取引の広告にはこの法律の適用はなく、特商法に基づく表示は不要ということになります。
ただし、例えばコンサートチケットのみの販売のように旅行業務に関する取引に該当しない取引(運送又は宿泊以外のサービスについての取引)を行う場合は、その広告については特商法に従った表示が必要となることに注意してください。
なお、旅行傷害保険の販売は旅行業務に関する取引ではありませんが、やはり同法の適用除外となります(特商法第26条1項8号ニ、特商法施行令第5条別表2、39)。