TOP宿泊事業者からPRのプロに相談古民家を改装してアートも楽しめる宿の、話題の作り方は?
最終更新日 : 2020/06/11

古民家を改装してアートも楽しめる宿の、話題の作り方は?

ご相談者様プロフィール

解体の予定だった築120年の町家をゆずり受け、「アート × 旅人 × 地域、それぞれが交差する場」としてリノベーションした宿のオーナー様。
現在の状況としましては、町屋のリノベーション、公式ホームページ作成は完成。アートは専属のアーティストにより、アトリエにて制作中。

ご相談内容

(1)展示会を通した宿の認知度UP

7月下旬に3日間の展示会を行うことを、宿のオープニングイベントにしたい。その場では、アートの展示やトークなどを行いたいと思っている。
この展示会の告知を行うにあたって、どのような方法で話題作りを行えば良いか?

(2)SNSを通じたファン=潜在客づくり

SNSでどのようなコミュニティを作るのか? SNSの運用方法、コンセプトはどのようなものが良いか?

ご提案 (1)展示会を通した宿の認知度UP

■必然性のあるストーリーをアウトプットしていく

120年の町屋が持っている歴史と、そこで展示されるアート作品。
この二つがどのような必然性をもって絡みあい、空間を創り出し、展示会の日を迎えたのか?
そこをストーリーにしてチラシやホームページに表記し、SNSにてアウトプットしていくことになります。

アーティスト様のポートフォリオを拝見させて頂いたところ、繊細さと大胆さ、伝統と革新が同居したような素晴らしいもので、築120年の町屋における作品展示は素晴らしいものになると感じました。

そこで必要なのは、ストーリーです。

作品を創るアーティスト様は、どのようなバックボーンなのか。これまで何を学び、何に影響されたのか。
そして、何にインスパイアされてその作品を創ったのか。作品にかける想いは?
アーティスト自ら語ってもらうことが、ストーリーとして重要だと思います。

そして120年の町屋でアート作品を展示させることで、町屋とアートが一体化し、新しい空間を創り出すことがストーリーのゴールとなります。
そのストーリーはチラシやホームページに掲載し、作品展とオープニングイベントの「必然性」を表現していきます。
それによって、見る人がより多くの「ひっかかり」を感じるポイントを創っていきます。
(メディア側から見たときも同じで、「引っかかり」が大切です)

それから地元のメディアへのアプローチを行いましょう。テレビ、ラジオ、タウン誌、新聞などになります。
その際、「この番組を見た人に○○をプレゼント」といったことをセットでやると、メディア側が採り上げやすくなるでしょう。

■SNSを運用し、断片的なものを計画的に見せ、興味を喚起させる

展示会までにInstagramやTwitter、Facebook Pageにて、継続的に情報を掲載していくことを提案します。
120年の町屋、そしてアートというだけで、絵的に「映える」素材ばかりなので、絵にこだわった内容で連続的に発信していきます。
町屋のディテールあれこれ、展示されるアート、アートの制作過程といったところを高品質な写真や、動画を使って発信していきます。

これらの配信をまだ見ぬ誰かに見つけてもらうため、特にInstagramではハッシュタグをしっかりと管理していくことが重要です。

ハッシュタグの付け方の参考ページ
https://note.com/kouda/n/na26f54710449

Instagramでのマーケティング手法
https://www.printful.com/blog/jp/instagram-hashtags-to-increase-followers/

「#古民家に泊まりたい」のような動詞を含んだハッシュタグもあると思いますので、研究してみてください。

■展示会そのものを、さらにもう一工夫する

展示会に来られた方々がより印象に残る体験にしてもらうため、その地の名産物を軽く振る舞うことも提案します。
例としてはお茶や果物、和菓子などです。
味の体験があると、印象がより立体的になります。

また、アーティストの作品とは別に、アーティストが手がけた販売物も用意すると良いかと思います。
アーティストが染色した手ぬぐいといったようなもので、作品のエッセンスを活かした小物です。
アート作品に感銘を受けた人が購入でき、アーティストへの金額的な還元もできるかと思います。

■地元の人に愛される場所にする

展示会後、地元の人に気軽に使ってもらうのであれば、アートの展示の他に何かプラスワンを設けて、切っ掛けを作られることを提案します。
有機野菜を栽培されている知り合いの方がいらっしゃるということで、その方がお作りになった野菜の販売を行う。
新鮮でおいしい野菜は新しい話題を与えてくれますし、古民家の軒先で野菜が販売されていることも風情がありますので、地元の人が訪れる切っ掛けになるでしょう。

■展示会に来た方々に拡散してもらう

展示会やアート作品、町屋の中は撮影自由にし、SNSで拡散してもらいましょう。

ご提案 (2)SNSを通じたファン=潜在客づくり

■やることとやらないことを決め、根気よく継続させる

SNSは根気よく、継続的に情報を発信していくことが重要で、途中でネタ切れをしたり、飽きたり、コンセプトからズレて余計なものを発信したりするのは良くありません。
そうならないために、最初に決めることは「発信する内容」を定め、「やること」「やらないこと」を明確にすることです。

SNSの運用をしぶとく続けていくと、それはブランディングに直結していきます。
美しい写真だけがアップロードされるアカウントであれば、そのアカウントをフォローする人は美しい写真を期待してのものですし、そのアカウントの主はどういう人か?に興味が移ります。

そこにノイズが乗ってはいけません。例えば、全く関係のないような芸能ゴシップだとか、そういった書き込みは「やらないこと」に決めておくのがよいでしょう。

■要素を抽出して分解し、連想ゲームのようにネタを作る

そして「やること」をどのようにして構造的に作るか?が長続きの秘訣です。

まず、客観的な環境分析から、要素を抽出します。
今回の場合は、「築120年の古民家」「宿泊」「アート」から始まり、「宿の近辺のスポット」「もっと広域な風景」「その地域ならではの食べ物、飲み物」といった関連項目まで、大項目を最初に作ります。

これはExcelなどのスプレッドシートに作るも良し、マインドマップにするも良し、です。
そこから連想ゲームのように小項目をぶら下げていきます。

例えば「築120年の古民家」でしたら「味のある柱」「建築の意匠」「リノベ前の姿」みたいな感じで、分解していきます。分解すればするほどネタが増えていきますので、そのネタを1件ずつ、写真つきでSNSにUPすれば良いのです。

■予約投稿を活用し、三日坊主にならないようにする

そして前もって、「どの日にどのネタを書くか」をカレンダー化し、予約投稿に登録しておくことで、三日坊主になることを防ぎます。

これはInstagramとFacebookであれば、クリエイタースタジオという機能で可能になります。
https://business.facebook.com/creatorstudio/

以上がご提案となります。
多くのお客様に魅力が伝わりますよう、願っております。