TOPその他17.SLN生検におけるラーニングカーブについて教えてください。
最終更新日 : 2026/06/29

17.SLN生検におけるラーニングカーブについて教えてください。

 SLN生検での安定した両側同定率を得るためには一定の症例経験(ラーニングカーブ)が必要とされています。両側同定の成否が手技の質を反映する指標となるため、施設・術者ごとに自身の同定率を継続的に把握することが望ましいと考えられます。
 子宮体癌では、ICG(インドシアニングリーン)を用いた鏡視下SLN生検において、両側同定率が安定するまでにおおむね30〜40例程度の経験を要すると報告されています1,2)。子宮頸癌でも同様に、ICGを用いた鏡視下手術で両側を含む安定したSLN同定には約30例程度の経験を要するとの報告があります(本検討は頸癌・体癌の双方を対象としている)3)。一方で、放射性同位元素と色素併用による標準化された手技を遵守すれば、明らかなラーニングカーブを認めず、当初から両側同定率80%以上が維持できたとする報告もあり4)、トレーサーの選択や局注法の標準化が習熟過程に影響すると考えられます。
 16の項と同様に、同定率が安定しない場合には、手引きやNCCNガイドラインを参考に局注法を見直すとともに、手技に習熟した施設へ相談(項目20参照)いただくのが望ましいと思います。

1) Tucker K, et al. Defining the learning curve for successful staging with sentinel lymph node biopsy for endometrial cancer among surgeons at an academic institution. Int J Gynecol Cancer. 2020;30(3):346-351.
2) Gedgaudaite M, et al. Laparoscopic sentinel lymph node mapping with indocyanine green in endometrial cancer: surgeon's learning curve (cumulative sum analysis). Int J Gynecol Cancer. 2023;33(4):521-527.
3) Kim S, et al. Learning curve for sentinel lymph node mapping in gynecologic malignancies. J Surg Oncol. 2020;121(4):599-604.
4) Baeten IGT, et al. Learning curve and factors influencing successful robot-assisted bilateral sentinel lymph node mapping in early-stage cervical cancer: an observational cohort study. Expert Rev Med Devices. 2023;20(7):589-596.