逆に、こちらから質問させていただきます。
1.抗がん剤治療についてはどのようにお考えでしょうか。どこまで治療を続けられるでしょうか。まずはその点を今の主治医とご相談ください。
最期まで抗がん剤治療を続けて、病気と闘うという考えの方もいらっしゃるでしょうし、また体力的にしんどくなってきたため体調を優先して、抗がん剤治療を卒業して、自宅で自由な時間を過ごすことを重視する考えの方もいらっしゃるでしょう。
2.予後の告知についてはどのようにお考えでしょうか。
まったく知りたくないという方は少ないように思います。またショックを受けるのではっきりとは聞きたくないが、ある程度はおおまかには知っておきたい、それとなく知らせてほしいという方が多いのではないでしょうか。
残された時間がわからないと、旅行に行く、お墓参りに行く、役所に行く、孫と面会するなど、ご自身で計画を立てることが難しくなります。
とくにがんは最期が急に進行する病気です。正確な予後予測は、患者自身にとって助けとなり、また家族自身の心の負担を軽減してくれます。
患者自身の自己決定権を尊重することは、日本国憲法で保証されている権利であり、日本においても予後の告知は少しずつですが普及してきています。
3.自宅で最期を看取ることに、ご家族も同意されているでしょうか。
がんの終末期では痛み以外にせん妄といって意識の混乱や幻覚などがしばしばみられます。ご家族にとっては、精神的にも肉体的にも負担が大きくなる場合があります。
薬で治療していきますが、完全に抑えるのは難しい場合があります。
痛みやせん妄を、薬である程度コントロールできていれば、最期まで平穏に過ごすことができますが、それだけではありません。
がんの終末期では病状の急変により亡くなられる方が比較的多いのも特徴です。病院に勤務する医療者であっても、患者さんが突然亡くなられるのは非常にショックが大きいものです。
4.本人もご家族も、ある程度は心づもりをされている。
そうであれば、こちらも責任をもって、伴走者として最期まで見させていただきます。本人やご家族の不安や恐怖に対して、耳を傾けます。
薬によって、痛みやせん妄を積極的にコントロールしながら、最期まで苦痛なく過ごされることを目標としています。我慢することは美徳でもなんでもありません。平穏な最期を迎えるお手伝いをいたします。