不動産のチラシに「駅徒歩〇分」と必ず書かれていると思います。あれって正しいんですかね？ちなみに筆者の自宅は「駅徒歩8分」ですが、10分前に自宅を出ても電車に間に合うかどうかは微妙です。
「ま、不動産屋は嘘しか言わない人種だから」
そんな風にさらっと言ってのける業界通の方もいらっしゃるでしょう。そんな声を聞くたびに不動産屋の黒歴史に痛切な反省とお詫びを申し上げたくなります。
でも、ここは言わせてください。10分という表記に間違いはないのです。
徒歩〇分という表記の基準については、「不動産の表示に関する公正競争規約」により厳格に定められています。
まず所要時間については1分＝80mで計算します。端数は切り上げです。つまり、自宅から駅まで750メートルであれば、端数切り上げで10分になるわけです。
その上で始点と終点をどこに設定するかと言う問題があります。これが厄介です。自宅のドアからなのか、マンションのエントランスからなのか、駅のホームまでなのか、改札までなのか、その設定によって大きく変わりそうです。一軒家ならわかりやすいですが、大規模マンションなら敷地内を通過するだけで3～4分かかる場合も。東京の複雑な地下鉄では、改札を通過したあとホームまで数分かかるような場合もあります。
実はこれについても厳格に定められています。結論から言えば、駅距離は「敷地の最も駅に近い地点」から「最も近い駅舎の入り口」まで。駅に入った瞬間、地下鉄であれば地下に下りる階段を一段下りた瞬間に計測終了です。
つまり、ドアドアでホームまで10分で着かないから、不動産屋に騙されたと毒づいているあなた、間違っているのはあなたの方なのです。
まあ、表記自体を詐称されていたら仕方ないんですが、そこは信じられる不動産屋とのお付き合いが大事ですね。もちろんリノベ百貨店は公明正大にやらせていただいております。