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最終更新日 : 2021/12/07

剣道着の下に何か着てもいいのですか?

最近、剣道のウェア環境は大きく変わってきました。
剣道着や袴の下に体をサポートするための様々な補助ウェアが各メーカーから販売されており、利用する方が増えてきているようです。
関心はあるけど選び方がわからないという方もいるかと思いますので簡単に概要を説明したいと思います。

現在、販売されている補助ウェアは大きく2つの機能に分かれると思います。

1.体の動きをサポートする機能。
2.汗を逃がし肌を快適にする機能

まず1の体の動きをサポートする機能をもったウェアですが、サポートタイプとコンプレッションタイプに分かれます。

サポートタイプは、筋肉や関節の動きを助けてくれます。筋肉に圧をかけて不要な動きを抑えることで運動パフォーマンスを向上させ、関節をケガから守ってくれます。膝や関節に不安を抱えていたり筋力が弱い人におススメです。

コンプレッションタイプは、もとはエコノミー症候群のために作られたといわれており、適度な圧力をかけることで血液の循環を改善する効果があります。圧力をかけ効果的に血液を循環させることで栄養を行きわたらせ疲れにくくしてくれます。疲れを翌日に残したくない人におススメです

上記2つの代表的なメーカーとしてワコール(CW-X)、ナイキ、スキンズ、シースリーフィットなどがあります。

次に2の汗を逃がし肌を快適にする機能をもったウェアを紹介します。

剣道の稽古で汗をかくと剣道着や袴がビショビショになり、冬などは汗冷えをおこしてしまいます。
そこで最近はアウトドアウェアを利用して汗冷え対策に取り組まれている方も増えているようです。
アウトドアの世界では、ウェアの進化が目覚ましく、汗冷えをしないようなウェアが続々と生まれています。

アウトドアウェアでは、汗冷え対策として、ドライレイヤー、ベースレイヤー、ミドルレイヤーという着方が最近主流になってきております。
ドライレイヤーは肌に直接当てて着るもので、優れた撥水性で濡れ戻りを防ぎ、肌から濡れを遠ざけます。ドライレイヤーの代表的なメーカーとしてファイントラック社やミレー社などがあります。

次にベースレイヤーは汗を積極的に素早く吸い上げ外に拡散させるものです。これまでは化繊素材が主流でしたが、最近はメリノウールが脚光をあびています。メリノウールは吸汗速乾性にくわえ、防臭性に優れ、冬暖かいだけではなく夏は涼しいという「調温機能」もあり、ウール特有の肌にチクチクした感じはなく滑らかで肌ざわりもよいものとなっています。メリノウールの代表的なメーカーは、スマートウール社、アイスブレーカー社、モンベル社などがあげられます。

ミッドレイヤーはベースレイヤーが拡散した汗をさらに吸い上げてさらに拡散することで、汗を液体から気体(蒸気)に変えて蒸散させてくれます。剣道のウェアでいうとミッドレイヤーが剣道着となります。最近、綿素材だけではなく吸汗速乾機能をもった化繊素材の剣道着がいろいろと出てきています。

汗冷えをおさえて肌に快適な環境をつくるうえで、ドライレイヤーとベースレイヤー、そして化繊の剣道着を組み合せてみてはいかがでしょうか。

ちなみにユニクロのヒートテックは「発熱」に特化した素材で、動く、発汗するという前提で力を発揮してくれます。しかし同時に乾きにくい一面もあるので、激しく発汗する剣道の稽古にはとても不向きなインナーでもあります。ヒートテックは発汗しすぎず、程よく動き続ける日常使いのシチュエーションに最適なインナーといえそうです。

以上です。

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