TOP日本剣道形について太刀と刀は違うのですか?
最終更新日 : 2020/04/17

太刀と刀は違うのですか?

違います。

全日本剣道連盟から講習会時に配布された資料の内容を下記します。

日本刀は、その長さや形状によって、「太刀(たち)」、「刀(かたな)」、「脇差(わきざし)」、「短刀(たんとう)」の他、「劔(けん/両刃)」、「薙刀(なぎなた)」、「槍(やり)」等の呼び名がある。
我が国の刀剣の歴史は、「上古刀(じょうことう)」と呼ばれる古墳時代の反りが無い直刀から始まり、時代に応じてその用法と形状が変化していった。

「太刀(たち)」は、刃長が二尺(約60cm)以上で、平安時代末期から室町時代初期にかけて使用された。刃を下向きにして腰に佩いて(腰に紐で吊るして)所持した。
長寸で反りが高く、片手で握り、馬上で使用するのに向いていた。

「刀(かたな)」は、「打刀(うちがたな)」とも言い、刃長は二尺(約60cm)以上で、「太刀」に替わる様式として、室町時代初期から江戸時代まで使用された。「太刀」より短く反りが低く、刃を上向きにして帯に差し、身体に密着させて所持する。短く反りが浅いため、抜き差しが素早く出来ることから、徒歩や集団での戦に適していた。

また、日本刀を携帯する際には、一般には左腰に所持する。この時、刀工が銘(めい)を刻む(銘を切ると言う)位置は
一般に所持者の身体の外側(表)である。このため「太刀」と「刀」では銘の位置が反対となる。博物館等で刀掛けに陳列する時には、この作法に依っているため、刃を下向きに飾ってあるものが「太刀」、上向きに飾ってあるものが「刀」や「脇差」「短刀」となる。
これにより、いずれにも刀工の名前が切ってある「表」(「佩表(はきおもて)」、「差表(さしおもて)と言う」が観覧者の方に向いていることになる。

 一方で「脇差」や「短刀」は、「太刀」や「刀」、「薙刀」や「槍」といった主力の長い武器に対して、補助的な役割を持つ。
「脇差(脇指)」は、刃長が一尺以上二尺未満(約30-60cm)のものを言う。「刀」より短いために、戦国期の下克上の時勢にあっては、室内での戦闘に重宝したとされる。後の江戸時代に武士が大小二本差し(刀と脇差を常に持ち歩くこと)をするに及んで、「刀」の差し添えとして盛んに用いられるようになった。

「短刀」は「腰刀(こしがたな)」とも言い、鎌倉時代から現れる。脇差よりもさらに短く、反りは僅かで、一尺未満(約30cm以下)のものを指し、戦時だけでなく、平時においても護身用に所持していた。

以上です。

下に太刀と刀の違いをわかりやすく説明している動画がありますのでご覧ください。

日本刀.jpeg