TOP剣道の試合・審判について中学生の試合で変形の構え(三所避け)の指導、反則の仕方は?
最終更新日 : 2020/04/17

中学生の試合で変形の構え(三所避け)の指導、反則の仕方は?

平成28年度(2016年)の日本中学校体育連盟剣道競技部の申し合わせ事項に次の記載があります。

公正を害する行為として、
「変形な構え等の防御姿勢」をとった場合は、1回目は合議の上「指導」、2回目以降は「合議」の上、反則とする。

変形な構えについての共通理解事項(平成24年作成)

(1)変形な構えとは
左拳を概ね目線より上にして、面・右小手・右胴を同時に防御する形をいう。

(2)「指導・反則」をとらない場合
・中段の構え等からの「応じ技」途中の姿勢
・鍔迫り合いや体当たりでの「身体的圧力」及び「攻め」による一瞬の崩れ

(3)見極めの注意事項
・「変形な構え」に近い形が認められても左拳の高さが目線に達していない場合が多いので、左拳の位置を確認の基準とする。
・「変形な構え」で相手の打ちを待つ状態が確認された場合は、後から技が出ても「応じ技」途中の姿勢とは判断しない。

【指導・反則の宣告方法】
◇主審が合議をかける(主審の専決事項)
(1)指導をとる場合
主審は選手を開始線に戻し、「指導」をとる選手に近づき、審判機を右手に持ち、左手拳を明確に頭上(目の位置より高く)に上げ、「変形な構え」が認められたため「指導」をとることを説明する。次に定位置に戻り審判機を一方に持ち、宣告を行う側の選手に対し、指を揃え手の平を内側にして、指先で概ね選手の前垂を指すように腕を上げ、「指導」を発声し宣告を行う。

(2)反則をとる場合
「指導」と同じ要領で「反則」をとることを説明する。次に主審は定位置に戻り、他の反則と同じ要領で、旗を斜め下方に上げ、「反則〇回」と宣告する。

(3)確認事項
・1回目は「合議」の上、指導、2回目は「合議」の上「反則」とする。
・「変形な構え」に対して打った左小手は有効打の条件を満たしていればとる。

【掲示板への記入方法】
○指:赤色地に白抜き文字「指」を掲示する。
「公正を害する変形な構え」の指導は1回のみ。次からは反則となり、掲示板の〇指は残し、▲(反則)を新たに掲示していく。

【「変形な構え」を指導・反則事項とした理由】
生涯剣道のために大切な基礎基本を身につけなければならない中学生の時期に防御の効率のみを優先して、左拳を極端に身体の中心から外して防御に頼ることは、剣道の正しい習得を妨げるものである。剣道は一方を防御すれば一方に隙が生じ、打つときは打たれるときである。その緊張感と迷いを鍛錬と経験則による瞬時の判断で拭ききって勝負に出るところに醍醐味がある。したがって、特に「突き技」を禁止している中学生の試合では、三か所を同時に防御するという「変形な構え」は、左手が定まらないという見苦しさだけではなく、心の面でも剣道の良さを否定することにつながるものである。更には、いたずらに試合時間を引き延ばす結果にもなっている。以上の理由により(公財)日本中学校体育連盟剣道競技部では「変形な構え」を指導・反則とした。

以上です。

本内容が記載された申し合わせ事項の資料を添付しますのでご参照ください。

https://kcks-kki.org/ken/pdf28/moushi28.pdf

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