むかしから道場の床に用いられる木材は針葉樹がよいとされております。
■針葉樹の木材は主に次の3つが使われています。
1.松(マツ)
2.桧(ヒノキ)
3.杉(スギ)・・・赤味の杉材が人気のようです。
■工法は主に次の3つです。
1.無垢材・・・接着結合や混ぜ物がない本来の木そのものの事を指します。
2.集成材・・・同じ樹種の木をフィンガージョイントなどで結合した物です。
3.合板フロアー・・・薄くスライスした木材を貼りあわせた物です
■床に塗る塗装の種類は主に次の3つです。
1.無塗装・・・何も塗りません
2.オイル塗装・・・植物性オイルを主原料とした塗料で、木の内部に染み込ませる塗装です。
3.ウレタン塗装・・・ウレタン樹脂を吹き付けて表面に膜をつくり仕上げる塗装です。
※ウレタン塗装は床表面に膜をつくることで体育館シューズの滑り止めの役割を果たしています。そのため剣道のすり足などの足さばきをする際に適度な滑りが失われ足裏に負担がかかってしまいます。稽古中につまづいたり、マメができたりと怪我の原因にもなり、剣道場床にはウレタン塗装は不向きといえます。
■その他
・音響効果・・・踏み込み音を高めるために床下にカメをいれたりします。
・スプリング効果・・・踏み込んだ時に身体が弾みやすいように床下にスプリングをいれるケースがあります。
あわら武道館の床は桧、県立武道館の小道場の床は杉材です。
剣道の聖地、京都武徳殿の床は桧だそうです。創建当初は松材でしたがマツクイムシの被害により桧に変更したそうです。
中山博道の著書の中で「桧というのは非常にいいけれど、冬はつるつるして滑るし、かえって狂いが来る。できるだけ古い杉で、厚さを一寸以上にして通し板にするのが一番よい。高いものにつくけれど、その代わり長持ちするよ」と書かれているそうです。
以上です。