剣道の柄革には牛革が使われます。
牛革で作られた柄革には吟柄革と床柄革の2種類があります
牛革は厚いので2~3枚にスライスされます。皮の一番外側にある薄い表皮を除去した「真皮(しんぴ)」の表面を銀面と呼び、銀面が残っている革のことを銀(吟)付き革または銀(吟)革と言います。本革とかトップレザーとも呼ばれています。吟柄革はこの革が使用されています。
一方、銀面の付いていない2層目、3層目の革のことを床革(とこかわ)またはスプリットレザーと呼ばれており両面ともザラザラしており吟革と比べると安価です。床柄革はこの革が使用されています。
なぜ吟(銀)と呼ぶのかというと、銀のように艶があるからとか、表面に金属の銀が含まれているからでもありません。英語で真皮(本革)のことを「Grain(グレイン)」と呼び、明治時代には近代的な革の鞣し技術を習得するため海外から技術者を日本に招き入れていた際に、技術者たちが「Grain(グレイン)」と呼んでいたものを、当時の日本人には「ぎん」と聞こえ、銀または吟という字を当てて、そのまま現在に至ったそうです。
床革の床の由来ですが、おそらく読んで字のごとく真皮の床(そこ)の革という意味かと推察します。
以上です。