TOP剣道の指導について残心の意味がよくわかりません
最終更新日 : 2020/04/17

残心の意味がよくわかりません

「剣道試合・審判・運営要領の手引き(平成19年3月14日)」P8には、「残心とは一般的に打突後の気構えと身構えの総称である」と記載されています。

基本的な動作としては打ち抜けた後に相手に向き直り、中段に構え、相手が掛かってきても応じられる体勢をとります。

しかし、打突後に相手に向かって中段に構えなくとも、打突した瞬間や打突後に相手と接触した状態のままでも残心と認められ一本になるケースがあります。

さらに日本剣道形においては、上記のような相手に向き直り中段に構える残心はひとつもありません。

これはどういうことかというと、

本来の残心は、心を残さず100%の力で打ち切った時に、自然に残ってしまう心のことを言うそうです。

例えとして、コップの水を一気に捨て去ることで、自然に残る一滴の水が本当の残心なのだそうです。

心身ともに7割や8割程度の力で打突して、残りの2割や3割で残心をとろうとすると、そこに心がとらわれてかえって隙が生じてしまうそうです。
そうではなく10割の力をすべて出し切って打突するからこそ自然に心が残る。これこそが本当の残心とのことです。

「残心は捨てる意なり」とか「残心とは返る意なり」などの教えがありますが、まさにそういう意味なのでしょう。

要するに、本当の残心は捨てきった打突をおこなうことで初めて生まれ、意図的なものでもなく、他人が見て判断するものでもないということ、そして、残心のスタイルは、打突後に相手に向き直り中段に構えるものもあれば、それ以外のケースもあるということです。

しかし幼少年指導において、残心の意味を理解させるのは難しいと思われますので、打突後に相手に向き直り、中段に構え心身ともに備えさせることを重点的に指導するべきかと思われます。

以上です。

関連する質問