剣道試合・審判規則(平成24年4月1日発行)細則第10条に、規則第12条の「刃筋正しく」とは、竹刀の打突方向と刃部の向きが同一方向である場合とする。と記載があります。
これだけではよくわからないと思いますので、もう少し解説を加えたいと思います。
刃筋正しく打突することは有効打突の条件の1つにもなっています。
刃筋とは、刀の場合は、峯と刃先を垂直につなぐ線のことを言います。
竹刀では弦と物打を中心とした刃部(打突部:剣先から中結までの反対側の竹の部分)を垂直につなぐ線となります。
この刃筋と切る方向を同じにして、ぶれることなくそのまま一線となるように打突することを刃筋正しい打突と言います。
余談ですが、刀で切る場合は、これだけでは不十分であり、もう1つ重要な要素があります。
それは刃並を正しくするということです。
刃並の一方が刃筋と一線となって進み、他方の刃並はその湾曲(角度)で押し開いていく役目を持ちます。片刃の刃物(包丁など)を想い浮かべればこの関係が理解しやすいと思います。
刃筋を立てて切るということは、刃並を刃筋に正しく通して切るということであり、刃並の通った刃筋でなければ正しい刃筋とは言えません。
諸手で切り下ろす場合は、左手の小指、薬指を締め、さらに拇指の付け根を効かして、それに右手を調和させ、手の内と刃並を合わせて切るそうです。
以上です。