TOP剣道の礼法について静座(黙想)の時の両手の組み方は右手が上、左手が上?
最終更新日 : 2020/04/17

静座(黙想)の時の両手の組み方は右手が上、左手が上?

下の画像のように、この両手の組み方を法界定印(ほっかいじょういん)と言います。

お釈迦さんが悟りを開いた時の両手がこうなっていたことから、法界定印は悟りの境地を象徴するものとなったそうです。

法界定印は宗派によって、親指の合わせ方や重ねる上下の手が違ったりしますが、
一般的には、両手の親指の先を軽く触れて、理性の手と言われる左手で、感情の手と言われる右手を上から押さえ、すべてのものは繋がっているという意味合いの円相を作ります。

仏像などを見ると、釈迦如来や大日如来の法界定印は左手が下になっていたりしますが、
これは元々インドでは左手は不浄の手、右手は清浄の手と言われ、清浄な心で不浄な心を押さえるという意味があったそうです。
その後、法界定印は中国に伝わり、陰陽道の影響を強く受け、左手を陰の手、よく動く右手を陽の手としたことから、動く心を動かざる心で押さえるという考え方から、右手が下、左手が上という組み方に変遷して禅へとつながり、現代の剣道の静座(黙想)の時の手の組み方になったという説もあるそうです。

※ ちなみに永平寺で座禅体験をすると左手は上、右手が下の法界定印を指導されます。

というわけで、禅とつながりが深い剣道界でも右手が下、左手が上の法界定印が主流となっておりますが、全日本剣道連盟から法界定印に関しては一切触れられておりませんので(おそらく宗教色を出すのは教育上好ましくないという観点から)、手の上下が逆でも、または法界定印じたいをしなくても構わないそうです。

稽古場のルールにあわせるとよいと思います。

以上です。

法界定印.jpg