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最終更新日 : 2020/04/17

剣道の間合いについて教えてください

全日本剣道連盟では公式に「一足一刀の間」、「遠間」、「近間」の3つがあるとしています。

一方、昔より、この3つの間合いのほかに、「触刃の間」、「交刃の間」、「打ち間」と呼ばれる間合いもあり、今回、高段者向けに間合いの理解を深めてもらえるよう、ここではこれら6つの間合いについて説明いたします。

1.遠間
一足一刀の間よりも遠い間合いで、相手が打ち込んでも届かないかわりに自分の攻撃も届かない距離である。開始線から立ち上がって、竹刀の切っ先と切っ先が触れ合う(触刃の間)までの間合いを指すこともある。

2.触刃の間
切っ先と切っ先が触れる間合いのこと。

3.交刃の間
双方の竹刀が触刃の間からさらに深く入り交差した間合いのこと。

4.一足一刀の間
一歩踏み込めば相手を打突できる距離であり、一歩下がれば相手の攻撃をかわすことのできる距離である。一歩の距離には個人差があるため、一足一刀の間は個々に違うことになる。

5.打ち間
距離的な間合いを指すのではなく、自分が実際に打つ間合いのこと。

6.近間
一足一刀の間よりも近い間合いである。自分の打ちも容易に届くかわりに相手の攻撃も届く距離である。双方の竹刀が中結より深く入った状態の間合いのこと。

間合いの説明を難しくしているのは、どこで打てばいいのかという解釈が曖昧なことです。

一番質問が多い「一足一刀の間」と「打ち間」の違いについてですが、「打ち間」とは「一足一刀の間」のように一歩踏み込めば打てるという距離的な間合いのことではなく、実際に自分が打てると感じて打突する間合いのことであり、人によってはそれが触刃の間だったり、交刃の間だったり、一足一刀の間だったり、近間であったりします。
一方、「一足一刀の間」は一歩踏み込めば打てるという距離的な間合いであり、必ずしもこの間合いで打たなければいけないということではありません。

昇段審査の際に先生方がよく指導される説明では、
蹲踞から立ち上がった遠間の段階で、いつでも打突できる先がかかっている状態でなければならず、その状態を維持しながら、触刃の間に入り、そこから相手と攻め合いながらジワジワと交刃の間に入り、攻めを維持しながら一足一刀の間となり、そこからさらに溜めて、相手が崩れたと感じた時に捨てて打つ間合いが打ち間となるということです。
このプロセスで考える時は、(打ち間 ≦ 一足一刀の間)となります。

以上です。

間合いの種類.JPG

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