株式会社サードオフィス
アパレルOEM・ODM ブランド事業 EC事業 コンサルティング事業等
部長 川口 和広 氏 同社 伊勢 瑞穂 氏 同社 桝田 千夏 氏
・メールの場合、対応したけれどそのままになってしまう、他のメールに紛れて対応し忘れてしまうなどのトラブルがあった
・これまでの返信内容をテンプレートで保存した
・対応できる案件の数が1 週間 10 件程度だったのが、1 週間に 40~50 件まで対応できるようになった。
・他の人が途中からお問い合わせ対応に入ることができるようになった。
・履歴を遡ることができるので、お問い合わせ内容を社内向けに共有している
株式会社サードオフィスは、「クリエイティブとものづくりで世界中を元気にする」をビジョンに掲げ、アパレル OEM・ODM ※1 やブランド事業を展開している会社です。近年は EC 事業をスタートし、2017 年 11 月には DtoC ※2 専門のアクセサリーブランド「ROOM」を立ち上げました。今回は、同社デジタル事業部部長川口和広氏、同社スタッフ伊勢瑞穂氏、桝田千夏氏に「ROOM」を運営するうえで「Tayori」をどのように利用しているかを伺いました。
※1 「OEM」は取引先のブランド名で商品を製造すること(商品の仕様や設計は取引先が担う)、「ODM」は商品の設計から製造までを自社で手がけること
※2 メーカーが自社のECサイトを通じて商品を販売すること。
自社初の DtoC ブランド「ROOM」の立ち上げ

事業内容について教えてください。
川口: 「株式会社サードオフィス」は、もともとアパレルの製造卸をメインに OEM・ODM やブランド事業を展開しています。2017 年 11 月、それまでの経験を活かし、DtoC ブランドを立ち上げて EC 事業を展開することになりました。それがアクセサリーブランド「 ROOM 」です。
「ROOM」の特徴について聞かせてください。
川口:20 ~ 30 代女性向けのアクセサリーを企画・製造しています。価格帯は 1000〜5000 円以内がほとんど。意識しているのは、普段つけないデザイン性の高いアクセサリーを作ること。海外のファッショントレンドを取り入れ、大振りなモチーフや定番カラーではない色みのアクセサリーを提案しようと考えています。
競合他社との差別化を図るため……ということですよね?
川口: はい。しかし、お客さまによってはデザイン性の高い商品だけではなく、一般受けするアクセサリーを望む人もいます。そのため、多くの女性が自分の好みに合わせて選べるように、幅広く商品を取り揃えています。
「ROOM」ならではの「強み」を活かした生産・販売スタイル

御社の「強み」は何だとお考えでしょうか?
川口: これまで OEM・ODM を展開してきた中で、弊社は工場との信頼関係を築いてきました。このため、工場に自分たちが企画した商品を直で依頼して作ってもらい、弊社の EC サイトを通じて消費者に提供することができます。工場と直接取引することでオリジナル商品を大量に、短期間で生産できるのが強みです。
「短期間」というと、だいたいどれくらいなのでしょうか?
川口: 初回発注の場合は、他社とそれほど変わりません。しかし、追加発注時のリードタイムは 2 週間くらいで納品してもらえます。通常だと 1 ヶ月程度は見ておく必要があるのではないでしょうか。追加で発注しても、お客さまのもとへ商品を早くお届けできるのは嬉しいですね。
DtoC ブランドならではの“こだわり”で独自路線を行く

DtoC ブランドならではの難しさはありますか?
川口: 店舗を持っていないので、お客さまのリアクションを直接見ることができません。しかし、「店舗を持たない」ことで逆に他の企業が実践していることを自分たちはやらず、独自路線で勝負できるようになりました。
具体的には、どのようなことを行なっているのでしょうか?
川口: 例えば広告であれば、「ROOM」はデジタル広告しか出していません。スマホアプリもリリースしています。また、Instagram や LINE など SNS も積極的に取り組んでいます。「アクセサリーブランドでここまでやっているところはないだろう」という気持ちで、デジタルマーケティングに注力しています。
DtoC 事業において SNS は欠かせないツールですよね。
川口: はい。こだわっているのはサイトや SNS に掲載する写真です。アクセサリーだけでなくネイル、メイク、ヘアスタイル、服など、その時のトレンドを取り入れた写真を掲載しています。私たちは「アクセスタイル」と呼んでいますが、アクセサリーを活かすためのファッションをトータルで提案することを心がけていますね。
お客さま対応のポイントは“スピード”!返信は迅速に

お客さまの対応は、どのように進めているのでしょうか?
川口: 基本的には伊勢、桝田の 2 名体制で行なっていて、随時私がフォローに回っています。
伊勢: お客様からは、商品に関する問い合わせ、パスワードの確認などシステム上の問い合わせ、配送先の入力を誤ったなどのトラブルに関するご連絡がほとんどです。
川口: 対応時間は平日 10 時〜17 時、その間で対応するようにしています。
お客さま対応をするうえで心がけていることは何でしょうか?
川口: “スピード”です。時間内であれば、問い合わせが来たらすぐに返信するように心がけています。問い合わせ内容によっては確認に時間が必要なこともありますが、「確認します」など何らかの形でお客さまに返信しています。
それでも、2 人で対応するのは大変だなという印象です。
川口: そうですね。少人数で各々がさまざまな業務を兼務している状況なので、対応漏れがあると怖いですよね。退勤前に必ず返信漏れがないかを確認しますが、万が一、お客さまからの返信待ちである案件があれば、返信が来たタイミングで別の人間が対応するようにしています。
Tayori では進捗状況がひと目で分かるから、誰でも対応に回れる

「Tayori」を導入した経緯について教えてください。
川口: 少人数でお客さま対応を行わなくてはならなかったので「何か良いツールがないか」と探していたところ、パートナー企業が「Tayori」を見つけてくれたんです。それで導入しました。
導入後、変わった点はありますか?
川口: 対応漏れがなくなったことです。メールだと対応したけどそのままになってしまう、他のメールに紛れて対応し忘れてしまうなどのトラブルがありましたが、「Tayori」は「未対応」「対応中」「解決済み」をステータスで管理でき、誰が見ても状況が分かるので見落としがなくなりました。対応できる案件の数も 1 週間 10 件程度だったのが、今では 1 週間に 4、50 件まで対応できるようにもなりましたね。
それは、こちらとしてもうれしいですね。他に、何かありますか?
桝田: 私は数ヶ月前に入社したのですが、引き継ぎがスムーズだったのも良かったです。これまでの返信内容をテンプレートで保存できるので、問い合わせ内容に合わせて必要な情報をピックアップできるのは助かります。
川口: 他の人が途中から対応に入れるのはありがたいですね。何らかの理由で誰かが休んでフォローに回らなくてはならないとき、進捗状況がひと目で分かるのは便利だと思います。
「Tayori」はお客さまの声をデータとして蓄積することもできます。御社の事業に役立っていますか?
川口: 1 週間の問い合わせ内容を遡ることができるのは助かります。不良や破損、配送トラブルなど、お客さまにご迷惑をお掛けした内容については、自分たちの検品チェックや工場側へのフィードバックに活かせるので。毎週、会議で「Tayori」に来た問い合わせ内容を社内向けに共有しています。
多彩なニーズに合わせた DtoC ブランドを立ち上げたい
御社の今後の展望についてお聞かせください。
川口: 「ROOM」以外の DtoC ブランドを立ち上げたいですね。弊社の強みは、何社という企業と取引をしてきて培ってきた、さまざまなニーズに応えられる企画力や生産力を活かした“ものづくり”。女性向けのアクセサリーだけでなく、多くのターゲットに向けた DtoC ブランドを、どんどん作っていきたいです。それらのブランドを運営する中心になるのが、EC 事業部になると思いますし、失敗も含めて多くのことに挑戦して形にしようと考えています。
多くの DtoC ブランドを立ち上げていくうえで、どのように「Tayori」を使っていきたいですか?
川口: アンケートは、いずれ導入したいと思っています。まだ、「Tayori」の機能を全て使いこなせているわけではないので、必要に応じて取り入れていきたいですね。