佐竹博行 氏
・問い合わせ対応の業務負担により、宿泊客への接客に集中しづらい
・電話・メールだと過去の問い合わせ履歴が追いづらく、振り返りが難しい
・問い合わせ窓口をTayoriのフォームに一本化
・フォーム一本化により、問い合わせ対応の情報共有・管理がスムーズに
・FAQ・フォームにナレッジが蓄積され、スタッフのスキルアップや新人教育に貢献
同社が運営する宿泊施設「温泉山荘だいこんの花」は、数年前から宿泊DXの方針を掲げ、宿泊予約や問い合わせ対応のデジタル化を進めてきました。
「電話窓口をなくしたことでメールの問い合わせが急増しました」同館統括マネージャーの佐竹氏は語ります。Tayoriを導入し問題をいかに解決したのか、活用方法や具体的な成果を伺いました。
——御社の事業内容について教えてください。
株式会社一の坊は宮城県内でのみ事業を展開しており、私が担当している「温泉山荘だいこんの花」を含めて4つの温泉リゾートと2つのレストラン、また美術館を1つ運営しています。当館は三番目にオープンした宿で、もうすぐ開業20年の節目を迎えます。
各施設にはそれぞれ独自のコンセプトや特色があります。「温泉山荘だいこんの花」は当社の宿では最も小規模で、一泊10万円前後と高級路線をとっています。全部で18部屋しかなく、全室離れの形式にすることでプライベート感のある雰囲気づくりにこだわっています。
万人受けする価格帯や立地ではないため、開業当初はお客様が少なく苦労した時期もありました。しかし、徐々に自然の中で過ごす体験と価値に共感をいただけるようになり、いまでは世界中からたくさんのお客様にお越しいただいています。
——「温泉山荘だいこんの花」はどのような体制で運営されていますか?
現在は、サービススタッフが15名、料理人や掃除係などを合わせると総勢30名ほどで運営しています。私はマネージャーとして全体の運営統括を担当しています。
サービススタッフの15名はお客様の接客はもちろん、予約受付や各種問い合わせの対応にもあたります。大きなホテルなどでは、フロントやベルボーイなど役割を細分化している場合もありますが、我々はサービススタッフ一人ひとりが総合的にあらゆる業務を行います。
電話廃止によってメール急増、次の一手はFAQコンテンツ
——Tayori導入前のサポート体制について教えてください。
まず、背景にある大きな変革として、当館では数年前から宿泊予約や問い合わせ窓口をウェブだけにしています。業界では珍しく一切電話受付はしていません。
電話窓口を設けていたときは、1日100件は電話の対応に追われていました。また、いつ電話がきても対応できるように、電話口にスタッフを常駐させておく必要もありました。
その後、サイトリニューアルを行うなどしてウェブ経由の予約比率が上がってきたので、思い切って電話窓口を廃止する決断をしました。電話に時間を割くよりも、お越しいただいたお客様への接客に全力を尽くそうという結論です。
——電話窓口を廃止したことでどのような変化がありましたか?
人員の配置や業務効率が大きく改善されました。また、電話が鳴らなくなることで宿の居心地がさらに良くなりました。電話は主に裏方で対応していましたが、お客様のいるフロントにも聞こえることがあったんです。スタッフ一同、お客様に電話の音を聞かせたくないという思いが強かったです。電話をなくすことで宿の雰囲気づくりにも繋がりました。
ただ、そのぶんメールの問い合わせが一気に増えてしまいました。1日70件はメールがくるようになったんです。電話の次の一手として、FAQなどウェブサイトのサポート強化が喫緊の課題となり、Tayori含め様々なツールを調べ始めました。
——Tayori導入の決め手はなんでしたか?
やはり、使いやすさです。サービススタッフ全員で問い合わせ対応にあたるので、PCに不慣れなスタッフでも使えるシステムでないと実際の運用が難しくなります。
具体的な検討では、様々なツールを主要スタッフみんなで触りながら進めました。各人の感想やフィードバックを聞きながら、最終的にTayoriが一番最適だと判断しました。
他にも、Tayoriはカスタマイズ性の高さが良かったです。当館には宿としてのテーマカラーがあり、ウェブサイト全体を通してカラーを統一させたかった。Tayoriでは細かくページのカラー設定ができるので、カラーの統一を実現できています。
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お客様視点の追求、「予約前の疑問解消」こそ信頼獲得のチャンス
——FAQの作成で工夫されている点を教えてください。
当たり前かもしれませんが、お客様視点と情報量ですね。FAQの項目数は同業他社と比較してもかなり多いと思います。お客様はどのような疑問を抱くのか、なにに不安を感じるのか、日頃からスタッフ間で議論しながらFAQを作成しています。
FAQは単なるお客様の疑問に答えるものではなく、信頼を獲得するための重要なコンテンツと位置付けています。高価格帯の宿ということもあり、ご予約前の段階でいかに疑問や不安を払拭できるかが、その後の売上にも直結します。
また、事前に宿のスタンスを伝える役割もあると思います。例えば、当館には記念日に特化したプランやオプションはありません(ケーキ・花束の手配は可)。これは、プラン内容に依存しない、当館本来の宿泊体験を大切にしているからです。
できること・できないことをハッキリ書くことで、お客様の事前理解が深まります。そして、結果的にご滞在中の満足度も上がると考えています。
——フォームはどのように運用されていますか?
Tayori導入後、問い合わせ窓口はメールからフォームへ完全に移しました。15名のサービススタッフ全員でTayoriのフォームを使っています。
メールだと対応の流れを把握するのに苦労しますが、Tayoriのフォームであれば、問い合わせがどれだけ多くても一連の流れを簡単に把握できます。もし、別のスタッフが対応を引き継ぐとしても、Tayoriのメモ機能で記録を残せるので社内共有がスムーズです。
ただ一点、過度な効率化には注意しています。具体的には、テンプレート機能は極力使用していません。これは信条に近いのですが、コピペばかりの機械的な返答は接客の質低下に繋がると考えています。たとえ非効率であっても一定の時間を割いて、お客様一人ひとりに合わせたベストな対応を心掛けています。
問い合わせ数が1/7に減少。チーム内のナレッジ共有も加速
——Tayori導入による具体的な効果を教えてください。
導入前はメールの問い合わせが1日70件ぐらいはきていましたが、導入後、FAQとフォームを活用することで1日10件にまで減少しました。ここまで減るのかと効果の高さに驚いています。
あと、実はクレームもほとんどなくなったんです。数年前に宿泊DXの方針を掲げ、Tayoriを含めコツコツと進めてきた甲斐があったと強く感じます。結果的に、ご滞在中のお客様に対してより時間を割けるようになり、接客の質を高めることができました。
——Tayoriに対して、現場スタッフの反応はいかがでしたか?
これは思わぬ効果でしたが、Tayoriがナレッジ共有の橋渡しとなって、スタッフのスキルアップや新人教育にも役立っていると大変好評です。
FAQをきっちり作ることで各ケースごとの対応が明確になり、お客様対応のベース部分を統一しやすくなりました。問い合わせに返答する場合も、FAQを参照したり、フォームで過去の問い合わせ履歴を参照したりして、スタッフ一人ひとりの引き出しが多くなっています。電話だと振り返りが難しいので、やはりすべての記録が残るのはいいですね。
Tayoriによって、チーム内でのナレッジ共有が加速しました。スタッフのスキルアップはもちろん、宿としてのポリシーやスタンスを改めて言語化し共有する場にもなっています。
グループ従業員数300名、大規模な効率化とナレッジ共有に期待
——今後、Tayoriをどのように活用していきたいですか?
一の坊グループでTayoriを利用しているのは当館だけですが、今回多くの効果を得られたので、いつかグループ全体でも活用できたらと思っています。グループ全体だと従業員数は300名にのぼるので、大規模な効率化、ナレッジ共有は非常に価値があります。
各施設のサービスや特色に合わせたFAQを提供することで、お客様との信頼関係をグループ全体でより深められます。結果的に、売上やリピート率の向上にも繋がれば素晴らしいですね。
——最後にTayoriの感想をお願いします。
疑問や不安を感じたときいつでも情報を得られる体制というのは、お客様からも大変好評をいただいています。業界全体だとまだまだ電話受付が主流で、早朝や深夜などは対応できない宿も多いです。Tayoriのようなデジタルツールと併用することで、業界全体のサポート品質が良くなっていくと嬉しいですね。
Tayoriを導入してから、実際運用するなかで多くのことを学びました。まだまだ改善や拡張の余地を感じているので、今後も積極的に活用していきたいですね。
宿泊DXのスタートに「Tayori」を導入してみませんか?
ホテルや旅館などの宿泊業界のDXには「Tayori」がおすすめです。
デジタルツールを使うのが初めての方や苦手な方でも直感的に利用可能で、誰でも簡単にお問い合わせフォームやFAQを作成、編集、更新することができます。
お問い合わせ対応を効率化することで、お客様サービスに集中することができ、顧客満足度の向上が期待できます。
「お問い合わせ数を削減したい」「お問い合わせ対応を効率化したい」という方はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。