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DL数20万件超えるも問い合わせ増えず 大企業発スマホアプリが追求する「1:N」サポート【パイオニア株式会社】

(左から、野澤氏、門真氏)

社名:パイオニア株式会社
業界:メーカー
従業員数: 1,000名以上
利用開始: 2023年6月
活用機能:フォーム|FAQ|アンケート|外部連携

パイオニア株式会社は、連結従業員数が8,300名を超える大手メーカーです。国内外に約50社のグループ会社を有し、車載機器などのカーエレクトロニクス分野を中心に多彩な事業を展開しています。

同社モビリティサービスカンパニー(MSC) カスタマーサポート課の野澤氏・門真氏は、新規スマホアプリ「COCCHi(コッチ)」のリリースを控え、サポート情報の発信に苦慮していました。コーポレートサイトは別部門が管理しており、製品ページの更新に長い時間と手間を要するためです。

「リリース直後は機能アップデートも多く、タイムリーな更新が必要不可欠でした」野澤氏は語ります。数多あるツールのなかから何故Tayoriを選び、どのようにサポート体制を準備したのか、選定ポイントや活用方法を伺いました。

【目次】

  1. リリース数ヶ月で20万DL、VoC起点でスピーディーに機能改善
  2. 「更新が大変」自己完結の運用を求めて、Tayoriでヘルプサイト構築
  3. カスタマージャーニーを土台にサポート体験を追求
  4. 真摯にコンテンツ改善、有効性を測るユーザー評価アンケート
  5. 「1:Nの品質向上」アプリとサポートのたゆまぬ改善

リリース数ヶ月で20万DL、VoC起点でスピーディーに機能改善

——Tayoriを利用している御社のサービス「COCCHi」について教えてください。

野澤氏:
「COCCHi」はスマートフォン向けカーナビアプリで、2023年9月にリリースした新サービスです。

当社が長年にわたり培ってきたカーナビ製品開発の技術やデータを活かし、高度なナビゲーション機能を提供しています。独自に保有するプローブデータ(※1)やリアルタイム情報を用いて、精度の高い到着時間予測や渋滞を考慮したルートの再提案が行えます。
※1…GPSなどを通じて得られる自動車の走行データ。

他にも、運転中の困りごとやトラブルをサポートするドライバーアシスト、Apple CarPlay/Android Autoへの対応(車載機器の画面との連携)、CO₂排出量やガソリン代金などを可視化しエコドライブを促す機能を搭載しています。

COCCHi」画面イメージ。

——「COCCHi」のリリース後、ユーザーからの反響はいかがですか?

野澤氏:
リリースから約6ヶ月で累計ダウンロード数が20万件を超え、おかげさまで大変好評をいただいています。アプリストアやTayoriのフォームから、毎日20~30件ほどレビューや問い合わせが来ている状況です。

当社はこれらのVoC(顧客の声)を重要視しており、開発チームにフィードバックする体制を整えています。社内の定例ミーティングでは、収集したVoCの内容・件数を報告し、開発チームにユーザーのニーズを共有しています。

リリースからすでに3回の機能アップデートを行い、ユーザー評価はどんどん上がっています。要望の多いものから順に開発しており、上位の要望は新機能として追加できました。今後もVoCを起点にアプリを進化させていく予定です。

「COCCHi」新機能追加のお知らせ。ユーザーの要望を重視し、素早く機能アップデートをしている。

——野澤さん・門真さんの担当業務を教えてください。

野澤氏:
まず、私と門真が属するモビリティサービスカンパニーは、当社のデータソリューション事業を管掌している組織です。「COCCHi」以外にも、環境課題を解決するプラットフォーム「Piomatix for Green」、配車・配送ルートを最適化するAPIサービス「Piomatix LBS API」、クラウド型運行管理サービス 「ビークルアシスト」を提供しています。私と門真はこれらのサービス群のカスタマーサポート全般を担当しています。

具体的な業務としては、ユーザーから来た問い合わせへの回答や、意見や要望などのVoCの収集、そして各開発チームに対してVoCのフィードバックを行っています。また、Tayoriなどを活用し、各サービスのヘルプコンテンツの作成にも力を入れています。

「更新が大変」自己完結の運用を求めて、Tayoriでヘルプサイト構築

——Tayori導入の背景にあった「課題」を教えてください。

野澤氏:
「COCCHi」のサポート体制を準備するうえで、「情報発信がしづらい」という大きな課題がありました。コーポレートサイトのなかに各製品のサポートページがあるのですが、サイトは別部門が管理しており、更新一つするにも時間と手間がかかります。管理部門への依頼、構成や内容のレビュー、承認フローなど、公開までのプロセスがどうしても長くなるためです。

toCのスマホアプリはユーザー数が膨大になるため、テックタッチ(※2)でいかに1:N(1対多数)のサポートを実現するかが鍵になります。ユーザーが自己解決できるよう、Web上での情報発信を充実させ、タイムリーに更新することが必要不可欠です。
※2…テクノロジーを活用して効率的に顧客をサポートする手法。

検討の末、「COCCHi」に限っては外部ツールでヘルプサイトを構築することにしました。リリース直後のタイミングは機能アップデートも多くなると想定され、私たちだけで自由に情報発信をできる体制をつくろうと決めました。

——Tayoriを選んだ「決め手」はなんですか?

門真氏:
決め手は「使いやすさ」ですね。TayoriのUIはとてもシンプルなため、直感的にサクサクとコンテンツを作れて、ITリテラシーにかかわらず誰でも使えると感じました。他社のツールもいくつか触りましたが、Tayoriが断トツで使いやすかったです。

新しいサービスは変化が多いので、ヘルプコンテンツの作成はスピード感が大事です。Tayoriなら複数名でスピーディーに運用できると思いました。また、フォームからの問い合わせも含めて、Tayoriだけでサポートを一元管理できるのも魅力的でした。

TayoriのFAQ編集画面。直感的な操作で簡単にコンテンツを作成できる。

——大企業の場合、新しいツールは導入ハードルが高そうです。決裁は問題なかったですか?

野澤氏:
Tayoriの決裁はスムーズに進みました。導入ハードルが高いことも確かに多いですが、「COCCHi」は新サービスなので、新しいアイデアや取り組みが受け入れられやすい環境なんです。

あと理由として大きいのが、「料金の安さ」や「コストパフォーマンスの良さ」だと思います。安価な月額に対して機能が豊富で、Tayoriだけでサポートを完結できる点は決裁者にも好評でした。

カスタマージャーニーを土台にサポート体験を追求

——ヘルプサイトの構築はどのような流れで進めましたか?

門真氏:
まずは、ユーザーのカスタマージャーニーを描いて、サイトのフレームワークを固めました。ユーザーがストレスなく欲しい情報にたどり着けるよう、どのようなカテゴリ分けや順序で情報を提供するのがいいかを先に考え、その大枠をもとにユーザーズガイドとFAQを作りはじめました。

情報が多すぎると見づらくなってしまうため、掲載するコンテンツは絞り込んでいます。アプリという特性上、閲覧デバイスはスマートフォンが圧倒的多数なので、見やすさはかなり意識しています。他にも、想定される問い合わせ内容をカスタマージャーニーで洗い出し、フォームの項目に問い合わせ種別の選択肢をあらかじめ用意しておきました。

Tayoriで作成された「COCCHi」ヘルプサイト。アプリの利用シーンを想定して各コンテンツを配置している。

——カスタマージャーニーはどのように設計しましたか?

野澤氏:
カスタマージャーニーをサポート業務で活用する目的は、「ユーザーが直面しそうな問題を予測する」ことにあります。頭だけで考えても絵に描いた餅にしかならないので、まずはテスト版のアプリを触って、利用の流れを実際に体験しました。

そのうえで、利用の流れを横軸に並べて、アプリダウンロード後の体験を中心に、「このタイミングでこういう困りごとが起きそう」というポイントを整理しました。

門真氏:
ユーザーズガイドやFAQも、カスタマージャーニーで整理した困りごとに沿って作成しています。ただ、私たちの視点だけだと内容の偏りや漏れが生まれるかもしれないので、他部署のメンバーからもフィードバックを得ながら、多角的な視点でコンテンツを練っています。

真摯にコンテンツ改善、有効性を測るユーザー評価アンケート

——Tayoriの成果はいかがですか?

野澤氏:
Tayoriのおかげでスムーズにサポート情報を発信できており、理想通りの運用を実現しています。アプリのダウンロード数・レビュー数は日々増えていますが、問い合わせ数はあまり変わらず、いまのところサポート要員を増やす必要はなさそうです。

今後もユーザーは増えていくと思いますが、アプリやコンテンツを改善していくことで、1:Nのサポート品質をより高めていきたいと考えています。Tayoriにはとても満足しており、これからも欠かせないツールですね。

——ヘルプコンテンツの改善に向けて、ユーザー評価のアンケートも行っているそうですね。

門真氏:
はい、コンテンツの有効性を測るため、Tayoriのアンケート機能でフィードバックを収集しています。コンテンツの最後にアンケートへのリンクを設置し、アンケートでは、「役に立った」「役に立たなかった」の選択肢と理由の記述欄を設けています。

現状、週に5~6件の回答をいただいており、内容の改善に直接活かしています。そして、そもそもコンテンツがちゃんと見られているかも重要なので、TayoriとGoogleアナリティクスを連携させ、ページビューや滞在時間なども確認しています。

「1:Nの品質向上」アプリとサポートのたゆまぬ改善

——今後のカスタマーサポートの取り組みについて教えてください。

野澤氏:
今後も1:Nを前提に、サポート品質を高めて、ユーザーの自己解決を最大化させたいと考えています。かつ、最も大事なのは、アプリを改善し困りごとがそもそも生まれないようにすることなので、VoCの収集と開発チームへのフィードバックも続けていきます。

具体的な取り組みとして、コンテンツの数や内容は精査したいですね。先日、御社(PR TIMES)が開催したFAQのセミナーに参加し、サポートも「選択と集中」が大事であると学びました。コンテンツは一通り用意できたので、次はユーザーのニーズに合わせて絞り込もうと思います。

アプリ同様、ヘルプコンテンツもリリースしたら終わりではなく、改善を続けていくことで満足度が上がっていきます。これからもTayoriを活用し、アプリとカスタマーサポートのセットでより良い体験を追求していきます。

パイオニア株式会社 モビリティサービスカンパニー(MSC)
カスタマーサクセス統括グループ カスタマーサポート課

野澤 雄一氏
門真 明日香氏

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