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ビジネスにおける「ペルソナ」とは?設定に必要な要素や、注意点を紹介

マーケティングで設定されるペルソナ

マーケティング用語としてよく使われる「ペルソナ」とは、マーケティングや商品開発における、「ターゲット設定」の1つ。

では、ペルソナとターゲットにはどのような違いがあり、ペルソナはどう設定すればいいのでしょうか。

本記事では、ペルソナの意味やメリット、設定方法を解説。設定するときの注意点もお伝えします。ペルソナを活用し、商品開発やマーケティングを効率化しましょう。

【目次】

  1. そもそも「ペルソナ」とは?
  2. 「ペルソナ」を設定するときに検討したい要素
  3. ペルソナの設定方法・手順
  4. 「ペルソナ」を設定する3つのメリット
  5. 「ペルソナ」を設定するときの3つの注意点
  6. ペルソナについて詳しく知りたい人におすすめの本
  7. 自社商品・サービスのペルソナを設定してみよう

そもそも「ペルソナ」とは?

マーケティング用語として知られる「ペルソナ」。まずは、「ペルソナ」の詳しい意味と、似た言葉「ターゲット」との違いを解説します。

ペルソナの意味

ペルソナは元々、ユングの提唱した心理学用語です。仮面を意味する「Persona」からうまれた言葉で、人間の「外的側面」「内側に潜む自分」がペルソナだと定義されています。

マーケティング用語としては、商品やサービスを利用している典型的なユーザー像のことを意味します。

ペルソナとターゲットとの違い

ターゲットも、ペルソナと同じく、商品やサービスのユーザーモデルを指す言葉です。両者の違いは、モデルをいかに詳細に設定するかにあります。

例えばターゲットでは、「20代・男性・営業職」のように簡単な概要だけを設定していたモデルも、ペルソナでは次のように設定されます。

年齢:27歳(1993年7月26日生まれ)

性別:男性

居住地域:東京都目黒区

学歴:青山大学経済学部卒業

職業:広告代理店の営業職

趣味:釣り

「ペルソナ」を設定するときに検討したい要素

ペルソナは、商品やサービスの典型的なユーザー像だとわかりました。では、ペルソナを設定するときは、どこまで詳細を決めたらいいのでしょうか。

<ペルソナを設定するときに検討する要素>

  • 年齢
  • 性別
  • 居住地域
  • 住居情報(持ち家、実家、賃貸など)
  • 最終学歴
  • 職業
  • 所属企業
  • 部署
  • 役職
  • 年収
  • 家族構成
  • 趣味
  • よく使うSNS
  • タイムスケジュール
  • 現在の悩み(プロジェクトに関わる分野での悩み)
  • 悩みを解決して、どうなりたいか

居住地域は「東京都」「神奈川県」のような、ざっくりしたもので構いません。ただ、ほかの項目はできるだけ具体的に設定しましょう。例えば趣味がゲームなら、どんなジャンルのゲームが好きなのか、スマホゲームなのかテレビゲームなのかまで、詳しく決めます。

また、ユーザーの1日の流れを検討することもポイントです。どのタイミングでどんな媒体を見ているのか、何をしているのかがわかることで、自社との接点を持つタイミングが明確になります。

ペルソナの設定方法・手順

ペルソナを決める際にはより多くの情報を集めて、リアルなペルソナを設定することが大切です。本項では具体的な設定方法と手順について解説します。

情報を収集する

まずはペルソナ設定に必要な情報を収集しましょう。すでに自社で過去にとったデータを持っていたとしても新たな情報を収集し、それぞれの情報を合わせて分析することをおすすめします。
情報の収集方法をしては下記のような方法があげられます。

  • 店頭、メール、SNSでのアンケート
  • 顧客やユーザーへのインタビュー
  • アクセス解析(ホームページ、サービスサイト、ECサイト)
  • 口コミサイトやSNSでのコメント
  • 顧客データ
  • カスタマーサポートへの問い合わせ内容
  • 営業担当者など顧客接点を持つ社内担当者へのヒアリング

会話の中から感情の変化などペルソナを決めるうえで重要な情報を得ることもできるので、ペルソナを設定するさいはできる限り顧客への直接インタビューも行うようにしましょう。

情報を整理しグループ分けする

次に収集した情報を整理しグルーピングします。次のような項目ごとにグループ分けしてみましょう。

デモグラフィック:人口統計学的な属性。性別、年齢、居住地域、所得、職業、家族構成、学歴など。

サイコグラフィック:性格や価値観など心理学的な属性。パーソナリティ、価値観、興味、趣味、ライフスタイル、こだわり、嗜好など

ビヘイビアル : 過去の行動に関する属性。利用頻度、利用目的、習慣、購買履歴、購入場所、閲覧ページ、情報収集方法など

ジオグラフィック:地理学的な属性。国、地域、宗教、文化など

具体的な人物像に落とし込みペルソナシートを作成する

情報のグループ分けが完了したら「ペルソナシート」を作成し、要素を埋めていきます。
要素は、BtoCビジネスとBtoBビジネス、どのような製品やサービスを扱っているかでも異なります。

顧客が企業になるBtoBビジネスでは顧客が所属する企業の業種・業界、売り上げ規模なども重要な要素です。また、購入や導入を決定するのが、情報収集者と別の人物になる可能性も高いため「情報収集する担当者のペルソナ」「実際にサービスを利用する担当者のペルソナ」「決裁者のペルソナ」など、各シーンによってペルソナを分けて設定してみましょう。

さらに、文章やストーリーで言語化することもおすすめです。さらに写真やイラストなどで人物のビジュアルも添えることでより具体的な人物像がイメージしやすくなります。

「ペルソナ」を設定する3つのメリット

ペルソナを設定することで、マーケティングを効率よく、高精度に行えるようになります。

次からは、ペルソナを設定する具体的なメリットを、3つ紹介します。

1.メンバー間でより詳細な人物像を共有できる

ペルソナを設定する1つ目のメリットは、メンバー間で詳細な人物像を共有できることです。

ざっくりとしたターゲットしか設定していなかった場合、思い浮かべる具体的な人物像は、メンバー間で異なるでしょう。

例えば「20代男性、営業職、趣味はゲーム」のターゲットから、「インドア派で、のんびり遊べるRPGゲームが好きな大人しい人物」を連想するメンバーもいれば、「アウトドア派で、サバイバルゲームが好きな元気な人物」を思い浮かべるメンバーもいるでしょう。

ペルソナを設定すれば、趣味や性格も具体的に明らかになるので、メンバー間のズレが生じません。資料を見るだけで人物像の共有ができるため、コミュニケーションコストも削減できます。

2.ユーザーのニーズが明確になる

ペルソナを設定する2つ目のメリットは、ユーザーのニーズが明確になることです。

詳細なプロフィールを設定することで、そのペルソナが商品やサービスに何を求めているのかが明らかになります。

「具体的な1人のニーズを、徹底的に満たす商品やサービス」を開発することで、心に刺さる商品・サービスが生まれやすくなります。

「1人にしか売れないサービスがうまれるのでは?」と感じるかもしれませんが、1人が持っているニーズは、ほかの多くの人も持っています。反対に、曖昧なターゲットからうまれたサービスは、誰の心にも刺さりません。

圧倒的に支持される商品・サービスを作ることがポイントです。

3.より精度の高いマーケティングが可能になる

ペルソナを設定する3つ目のメリットは、マーケティングの精度を高められることです。

例えば、読書が趣味の人を対象に、マーケティングをするとしましょう。読書が趣味といっても、小説が好きな人もいれば、エッセイが好きな人もいます。紙書籍派と電子書籍派では、ニーズも違えば、よく見る広告媒体も違うでしょう。

紙書籍派の人を対象にするなら、Webマーケティングよりも、書店にポスターを貼った方が効果的かもしれません。

ペルソナが具体的だと、ニーズはもちろん、広告の内容・配信時間なども想像しやすくなります。もちろん、テストは必要ですが、最初からより精度の高いマーケティングができるのも大きなメリットだといえるでしょう。

 

「ペルソナ」を設定するときの3つの注意点

ペルソナを設定するメリットを活かすには、正しい方法でペルソナを設定しなければなりません。誤った方法で設定したペルソナは、マーケティングの妨げになることさえあります

次に、ペルソナを設定するときの、3つの注意点について、解説します。

1.思い込みや理想ではなく一次情報からデータを集める

ペルソナを設定するときは、一次情報からデータを集め、データに基づき人物像を設定しましょう。思い込みや理想が入り込まないよう、集めたデータは数値化することがポイントです。

一次情報とは、SNSやブログ、インターネットなどから集めた「本当のユーザーの声」のこと。街頭インタビューやアンケートなどを使い、データを集めるのもいいでしょう。

データは集計・分類し、どんな人がどのくらいいるのか、数値で示します。例えば、「20代が最も利用しているSNSは〇〇で、全体の××%が使っている」という具合です。

「おそらく◯◯な人が使っているだろう」といった思い込みでペルソナを設定すると、ズレが生じてしまいます。一次情報からデータを集めることは最重要だと認識しましょう。

2.共通イメージが持てるように、写真や動画なども活用する

ペルソナ設定のメリット「メンバー間でより詳細な人物像を共有できる」を活かすために、写真や動画なども活用しましょう。

写真や動画を見れば、メンバーはペルソナの要素をより具体的に、正確にイメージできます。文章と違い、解釈の違いにより、イメージのズレがうまれることもありません。

ペルソナとなりえる人物や、ペルソナが住んでいるであろう部屋のイメージなども、画像として共有しましょう。

3.ペルソナにズレがないか、定期的に再検討する

ペルソナを設定した後も、現実のユーザーとペルソナの間にズレがないか、定期的にチェックしてください。現実のユーザーを取り巻く環境は日々変わります。ペルソナ設定時になかった新製品が流行っていたり、社会情勢が変わっていたりすれば、古いペルソナは現実のユーザーからズレたものになっているでしょう。

データ集めを定期的に行い、ペルソナと照らし合わせることで、ズレに気付けます。ズレに気付いたら、現実のユーザーに合わせ、ペルソナの要素を修正しましょう。

 

ペルソナについて詳しく知りたい人におすすめの本

最後に、ペルソナについて詳しく知りたい人におすすめの本を、3冊紹介します。

ペルソナについて初めて学ぶ人なら1冊目。ある程度学んでいて実践に役立てたい人なら2冊目・3冊目が、それぞれおすすめです。

実践ペルソナ・マーケティング 製品・サービス開発の新しい常識

ペルソナについて、基本から実践までを詳しく解説している書籍です。ペルソナの意味に始まり、設定方法から作成したペルソナの活用方法まで、1冊で理解できます。わかりやすい言葉で書かれているので、マーケティング初心者にもおすすめです。

>>実践ペルソナ・マーケティング 製品・サービス開発の新しい常識

 

マーケティングリサーチとデータ分析の基本

マーケティングの「リサーチ」と「データ分析」について、基本から伝えている書籍です。ペルソナ設定におけるデータ集めに必要なことが、わかりやすく書かれています。ペルソナの専門書ではないものの、初心者から指導者まで、幅広く使える書籍です。

>>マーケティングリサーチとデータ分析の基本

はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ

ペルソナを設定した後、開発した商品やサービスがどのようにユーザーに届くのかを表す「カスタマージャーニーマップ」についての書籍です。ペルソナがどう役立つのか、具体的なイメージが見えてくるでしょう。ペルソナの設定方法も、実践的に伝えています。

>>はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ

 

自社商品・サービスのペルソナを設定してみよう

本記事ではペルソナについて説明しました。ペルソナを設定することで、ユーザーのニーズにより合った、商品やサービスを開発できます。マーケティング活動においても、ペルソナ設定は重要です。

まずは、インターネット検索やSNSを使い、ユーザーのリアルな声を集めてみましょう。集めたデータを数値化し、ユーザーのニーズを探ってみてください。今まで想像していたものとは、全く異なるユーザー像が、見えてくるかもしれません。

見えてきたユーザー像は、ペルソナとしてそのまま活用できます。再調査やペルソナの修正を繰り返しながら、商品開発やマーケティングに活かしましょう。

 

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