「更新できない」から「自発的に更新する」へ。1ヶ月で創り出した、サポートチームの新しいFAQ運用文化【株式会社トリドリ】


インフルエンサーマーケティング業界を牽引する株式会社トリドリ(以下、toridori)。主力であるインフルエンサーマーケティング事業でインフルエンサー専用の案件探しサービス「toridori base(トリドリベース)」や企業向けサービス「toridori marketing(トリドリマーケティング)」を提供する同社では、事業成長に伴い、カスタマーサポート体制の刷新が急務でした。
旧システムが抱えていた「情報管理の複雑化とメンテナンス負荷」「類似問い合わせの増加による対応工数増」という課題に対し、プロダクト領域統括部 プロダクトマネジメント室の⽥﨑 真菜美氏は、FAQシステム「Tayori」へのリプレイスを決断。わずか1ヶ月という短期間で移行を完了し、社内外の問い合わせ対応工数を削減しました。
「できるだけ簡単なものに変えたい」という田﨑氏の想いから導入されたTayoriは、どのようにサポート体制を変化させ、社内外のお問い合わせ対応の効率化を実現したのでしょうか。詳細を伺いました。
【目次】
- 導入前の課題:増加する「よくある質問」と、多機能ゆえのシステム管理負荷
- 導入の決め手:タイトなスケジュールで求められた「誰でも使える簡単さ」
- 導入後の成果:「Slack連携チャットボット」で社内の問い合わせ対応工数に変化
- 今後の展望:アプリ連携とFAQ誘導でさらなる自己解決を促進
導入前の課題:増加する「よくある質問」と、多機能ゆえのシステム管理負荷
——まずは、御社で抱えていた課題や、Tayori導入に至った経緯を教えてください。
田﨑氏:課題は大きく二つありました。一つ目は、既存のFAQページがあまり機能しておらず、ユーザー(インフルエンサーと企業様側)からのお問い合わせ件数が非常に多くなってしまっていたことです。
簡単な内容でもお問い合わせが集中してしまうと、どうしてもサポートチームの対応工数が増大してしまいます。FAQを見てくだされば5分とかからない内容であっても、FAQがわかりづらかったり、そこで解決できなかったり、そもそもFAQを見る習慣がなかったりでお問い合わせが増えてしまっていたので、ユーザーが自己解決できる体制にしたいというのがありました。
——いわゆる「よくある質問」が非常に多かったということですね。
田﨑氏:多かったと思います。特に月末月初はお支払い関連(請求書、領収書など)のお問い合わせが個別に多発する状態で、サポートチームはそのご連絡に対して同じ返答を送り続けている状況でした。

——二つ目の課題はどのような点でしょうか。
田﨑氏:二つ目は、以前使っていたサービスが多機能なシステムであるゆえに、うまく使いこなせる人材が社内で不足していたことです。私の入社前から導入されていたサービスで、FAQは一通り記載していたものの、定期的に更新したり、効果を測定したりすることができていませんでした。
——多機能なシステムを使いこなすための体制や文化が定着しなかったのですね。
田﨑氏:そうですね。以前はそもそもFAQを更新する文化がなかったという状況で、社内の体制変更などで引き継ぎができていなかった部分もあり、管理が属人化していました。FAQ内で表記揺れがあるために検索に引っ掛からなかったり、担当者がそれぞれのやり方でお客様対応をしていることで工数が増えてしまったり…。管理画面が複雑で、整備やメンテナンスが定着しなかったというのが大きな理由でした。
導入の決め手:タイトなスケジュールで求められた「誰でも使える簡単さ」
——短期間でのリプレイスが必要だったと伺っていますが、システム選定の際に外せないポイントは何でしたか?
田﨑氏:上長からは「コスト面での配慮」と「メンテナンスができる状態だったら嬉しい」という点以外、大きな指定はありませんでした。ただ私の中に「絶対簡単なものに変えたい」という強い希望がありました。
——多機能なシステムではなく、シンプルで使いやすいものを求められたのですね。他社サービスとの比較で、最終的にTayoriを選んだ決め手は何でしたか?
田﨑氏:最終的な決め手は、設定が一番簡単だったことです。他社ツールの中には、多機能すぎて操作が複雑なパターンや、外資系ゆえに日本語対応しきれていない部分もありました。
Tayoriは、設定がボタン一つでできる。直感的に操作方法がわかるので、サポートチームのメンバーもきっと無理なく運用できるだろうな、と考えました。

——現場の使いやすさを最優先されたのですね。
田﨑氏:はい。あと、社内の別部署でTayoriの無料プランを試した人がいて、「わかりやすいよ」と聞いていたのも大きかったです。
——リプレイス期間は1ヶ月というタイトなスケジュールでしたが、作業自体はいかがでしたか?
田﨑氏:移行内容の精査やリストアップはサポートチームに協力してもらいましたが、内容の変更とインポートは全て私がやりました。CSVインポートが使えたので、データの移行自体は一週間くらいで完了しました。最初の数ヶ月は私も編集に携わっていましたが、その後はサポートチーム側で更新などしてくれています。サポートチームのメンバーが操作に慣れるまでの期間も比較的短かったと感じています。

インフルエンサー専用の案件探しサービス「toridori base」のFAQページ

企業向けマーケティングサービス「toridori marketing」のFAQページ
導入後の成果:「Slack連携チャットボット」で社内の問い合わせ対応工数に変化
——導入から数ヶ月が経ちましたが、運用してみてどのような変化がありましたか?
田﨑氏:まず、お問い合わせ対応をサポートするためのものを用意しようという運用改善へのモチベーションが上がったと思います。Tayoriのチャットボットだと検索履歴が簡単にわかるので、お問い合わせの傾向が可視化され、サポートメンバーが随時FAQを改善しています。「これはお問い合わせが多かったので入れます」という感じで、自発的かつ頻繁に更新しています。
——皆さん、自発的にFAQを改善されるようになったのですね。数値的な変化はいかがでしょうか?
田﨑氏:問い合わせ総数自体は、SNSの仕様変更が増えた影響もあり、まだ劇的には減っていません。ただ、サポート側からしたら「対応工数がだいぶ減った」という実感があります。
——それはどういう意味合いでしょうか?
田﨑氏:以前はFAQにない質問もあったので全てのお問い合わせに返信していましたが、今は「これとこれはFAQに書いてあるからFAQを参照してください」と返せば、二回目からは自己解決してくださるケースが増えたからです。よくある質問は、一回FAQに気づいてもらえれば、その後のやり取りは減るという効果は感じています。

——対応負荷が軽減されたのですね。
田﨑氏:はい。あと、特に効果が大きかったのが、社内の問い合わせ対応です。営業担当者などから、サービス仕様に関する細かい質問が多発し、サポートチームの工数を圧迫していました。
——社内の対応工数をどのように削減されたのですか?
田﨑氏:TayoriのチャットボットをSlackに入れたので、「まず一回ここで調べて、回答がないものは聞いてください」と案内しました。そうしたら、社内の問い合わせがかなり減ったんです。一件もない日もあるくらいで。対応している時間は確実に減ったと実感しています。
——それは素晴らしい成果ですね! Tayoriの機能の中で、最も満足されているポイントはどこですか?
田﨑氏:やはり「チャットボット」が一番ありがたいです。社内外問わず最短で回答を手に入れられるようになりましたし、みんな共通で見られるので、均等に最新の正しい情報が伝わるという点も、非常に良いと思っています。
今後の展望:アプリ連携とFAQ誘導でさらなる自己解決を促進
——最後に、今後のTayoriの活用展望についてお聞かせください。
田﨑氏:今後は、アプリ内でお問い合わせを全て完結できるようにしたいと考えています。現在はリンクを貼って外部で対応していますが、Tayoriのフォームをアプリの中に入れて、アプリだけで問い合わせができるようにしていきたいです。
また、問い合わせ機能の前にFAQとAIチャットボットを挟むような仕組みを導入することで、さらなる自己解決を促したいと思っています。
——FAQへの誘導を強化することで、問い合わせ数をさらに減らしたいということですね。
田﨑氏:はい。今は情報が不足している問い合わせに対して、サポート側で調べるのに時間がかかるなど、ラリーが発生することが多いんです。でも、一回FAQを見てからお問い合わせいただければ、お問い合わせの際に記載いただきたいことが書いてある。そうなってくると、問い合わせ対応の工数もかなり減ってくるという期待があります。
株式会社トリドリ
プロダクト領域統括部 プロダクトマネジメント室 ⽥﨑 真菜美氏
2023年9月 株式会社トリドリに入社し、2025年2月よりPMに転身。インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「toridori base」や「toridori marketing」に関わるデータ分析、サポート業務の改善をはじめ、新しいプロジェクト開発にも従事。
FAQやAIチャットボットで社内外の問い合わせを効率化。
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