【Tayoriサポートからのおたより】カスタマーサポートのナレッジベース構築と運用。形骸化させない3つのコツ
こんにちは!Tayori事業部 カスタマーサポート担当です。
カスタマーサポートの現場では、日々寄せられるお問い合わせに対し、正確かつスピーディーな回答が求められます。しかし、担当者ごとに対応のノウハウが分散していたり、過去の履歴を毎回探し回ったりする状況が続くと、現場の負担は増すばかりです。
こうした課題の解決策として、業務ノウハウや製品情報を一箇所に集約するナレッジベースの導入が進んでいます。
ただ、システムを立ち上げたものの、どこに何があるか探せない、情報が古くて誰も見ないという状態に陥るケースも少なくありません。今回は、現場の担当者が日常的に活用でき、チーム全体の対応力を引き上げるためのナレッジベース運用のポイントについて解説します。
カスタマーサポートにおけるナレッジベースの重要性
ナレッジベースとは、組織内の知識を蓄積・共有し、検索可能な状態にした情報基盤のことです。定義や作成方法、活用シーンについてはこちらの記事でくわしく解説しています。
あわせて読みたい:ナレッジベースとは?社内で活用するメリットや作成方法、ポイントについて紹介
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公表した「DX動向2024」では、日本企業においてDXを推進する人材の不足や、必要なスキル・知識の不足が課題として挙げられています。
こうした課題はカスタマーサポートの現場でも起こり得ます。担当者が変わっても一定の品質で対応できるよう、チーム内の知識を蓄積・共有できる仕組みを整えておくことが重要です。
カスタマーサポートの現場も例外ではなく、担当者が変わるたびに対応品質が揺らぐという状況を防ぐためにも、チームの知識を組織の資産として蓄積する仕組みが欠かせません。
(参考:IPA「DX動向2024」)
ナレッジベースが機能すると、カスタマーサポートの現場には次のような変化が生まれます。
・新人教育の負担が減る:マニュアルを口頭で伝え続けなくても、新人メンバーが自力で情報を探して解決できる環境が整います。問い合わせのたびに先輩に確認する時間も減り、チーム全体のスピードが上がります。
・担当者による対応品質のばらつきがなくなる:ベテランも新人も同じ一次情報をもとに案内できるため、誰が対応しても均一なサポート品質を保てます。担当者の経験値に依存しない体制が作れます。
・お客様の自己解決につながるコンテンツの土台になる:社内のナレッジが整うことで、FAQやチャットボットのコンテンツとして転用しやすくなります。社内の知識がそのままお客様の自己解決を助けるコンテンツへと育っていきます。
形骸化を防ぐ!ナレッジを「生きた状態」に保つ3つの運用のコツ
ナレッジベースを導入しても、更新の負担が重ければすぐに使われなくなってしまいます。ここでは現場で特に意識したい3点をお伝えします。
ナレッジは「対応のついで」に作る
専用の作成時間を設けるのではなく、日々の問い合わせ対応の中でナレッジを生成する仕組みを作ることが重要です。
お客様への返信文を作成した直後に、個人情報や個別の契約情報を除いたうえで、回答の要点をナレッジベースの下書きとして残すだけでも、積み重ねれば大きな資産になります。
完璧なマニュアルを最初から目指す必要はありません。まずは下書きとして情報を残し、次に同じ質問を受けた際に少しずつ追記・修正していくことで、現場の負担を抑えながら実用的な知識を育てていけます。
属人化を防ぐ「フォーマットの統一」
誰でも自由に書き込めることで、チーム全員でナレッジを作り上げていける環境が生まれます。
ただし、質問・回答・補足事項・関連URLといったシンプルなテンプレートをあらかじめ用意しておくことで、ひと目で内容を把握しやすくなり、必要な情報も探しやすくなります。
古い情報を放置しない「定期的な棚卸し」
製品の仕様変更やサービスのアップデートがあった際、古い情報がそのまま残っていると、現場が誤った案内をしてしまうリスクがあります。製品の仕様変更やサービスのアップデートがあった際には、関連するナレッジもあわせて更新するルールを決めておきましょう。
加えて、月に一度や四半期に一度など、自社の更新頻度に合わせて定期的に棚卸しを行うと、見落としを防ぎやすくなります。すべてを見直すのが難しければ、閲覧数の多い記事に加え、料金・契約・セキュリティなど、誤った案内をした際の影響が大きい情報から優先して確認するとよいでしょう。
Tayoriサポートの現場からお届け!
本パートでは、カスタマーサポートツールを提供しているTayoriのサポートチームが、実際に行っている取り組みやTipsについてお伝えします。今回は、お客様向けAIチャットボットの解析と改善についてご紹介します。
ナレッジベースを育てていくうえでは、すでにある情報を更新するだけでなく、「今、どんな情報が不足しているのか」を見つけることも重要です。
Tayoriのサポートチームでは、お客様がAIチャットボットに入力した質問や無回答のデータを確認し、FAQや回答データの改善につなげています。
AIチャットボットの利用状況を定期的に解析する
Tayoriのサポートチームでは、AIチャットボットの利用状況を定期的に確認しています。レポート画面とCSVデータを照合しながら、主に次の3つの指標をチェックしています。
・質問文:頻出キーワードや直近リリースに関連する質問の増減を確認し、ユーザーの興味や疑問の傾向を把握します。
・無回答:登録データの不足や表記ゆれなど、チャットボットが回答を導けていない原因を検証します。
・不満足:本来出すべき回答との乖離を確認し、本当に対処が必要なケースかどうかを精査します。
AIチャットボットを育てる、解析と改善のサイクル
解析で把握した傾向はそのままにせず、コンテンツへ反映しています。
・質問文の傾向からは、ユーザーのお困りごとを推測して新しい回答データを追加します。
・無回答のケースには、表記ゆれに対応するキーワードの追加や、無回答時のメッセージで質問方法を案内するなど、導線の工夫で対応します。
・不満足のケースは、本当に対処が必要なものを振り分け、関連する回答データへ追記して改善します。
この地道なサイクルを回し続けることが、チャットボットをお客様にとって本当に使いやすいものへと育てていく近道だと実感しています。
まとめ:検索性とメンテナンス性を高めて持続可能なナレッジ運用へ
カスタマーサポートにおけるナレッジベースの構築は、単なる情報の置き場作りではなく、チーム全体の対応負荷を減らしサービス品質を底上げするための基盤づくりです。
どこに情報があるかわからないという状況を防ぐためには、最初から完璧を目指さず、日々の対応の中で生まれた一次情報を泥臭く残していく運用が欠かせません。フォーマットの統一や定期的な棚卸しルールと組み合わせることで、常に信頼できる情報源として現場を支えてくれます。
まずは明日、今日対応したお問い合わせの中から一つ、個別情報を除いた回答の要点をチームの共有フォーマットに残すことから始めてみませんか。
Tayoriブログでは、これからもカスタマーサポート担当者のみなさまに役立つ情報を発信していきます。便利な機能を味方につけて、お客様とのいい関係を一緒に作っていきましょう!
カスタマーサポートツール「Tayori」について詳しく知りたい方はまずは資料をご確認ください。


