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2026年10月1日、改正労働施策総合推進法の施行により、全ての企業にカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務付けられました。
現場がどう変わったかを示す新しいデータはまだ出そろっていないため、今回は施行直前の9月に集まった動きを振り返り、「制度は整った、その先」に残る課題を整理します。
「整える」は進んでも、「浸透させる」はこれから
① 社内に言いにくい相談を、社外で受け止める動き
群馬県のCOCORO行政書士事務所は、カスハラと就活セクシュアルハラスメントの相談を企業の外部窓口として代行するサービスを開始しました。
被害者が社内の相談窓口には声を上げにくいという課題を背景に、独立した第三者が聞き取りから企業への報告までを担うといいます。
相談窓口という「制度」は整いつつあっても、「社内の誰に相談するか」という心理的なハードルごと解決しようとする動きが広がり始めているようです。
② 法律より先に、現場の意識を変えようとする動き
株式会社Treeは義務化を目前に控えた9月20日、参加者約100人が「カスハラ未然防止になる自分にできる小さな行動」を言葉にする参加型イベントを開催しました。
精神科医や人材育成の専門家を交えた対話の後、参加者が自分なりの取り組みをカードに書き出す内容で、企業の制度づくりだけでなく、現場一人ひとりの意識づくりに焦点を当てている点が特徴です。
③ 数字が示す、まだ埋まっていない溝
SaaS比較サイト「アスピック」(運営委託先:株式会社ブルートーン)がコールセンター等で電話対応にあたる240人に実施した調査では、過去1年のカスハラ被害経験者が59.6%にのぼった一方、対応ルールが「整備済み」の人は24.2%にとどまったことが分かりました。
被害者の72.7%が精神的ストレスを訴えており、企業に求める対策の1位は「上司・管理者への引き継ぎ」だったといいます。
規程や窓口を新設した企業がある一方、現場では「対策が整っている」という実感に至っていない層が多数派のようです。
まとめ
今回の動きに共通するのは、制度の「中身」をどう実質化するかに焦点が移りつつある点です。
相談窓口を社外に設けること、現場の意識を一人ひとりの言葉にすること、「整備済み」と「現場の実感」の差を調査で可視化すること。
義務化という節目を迎えた今こそ、制度を作って終わりにせず、現場に届いているかを定期的に確かめていく視点が必要になりそうです。
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