chemSHEPRAにおける管理対象基準である、REACH規則等は、CLP規則における有害性分類を基にして規制物質を定めています。
二酸化ケイ素 Silicon dioxide(7631-86-9)については、日本の安衛法、米国OSHA、IARC等では結晶質シリカを発がん性物質として指定しています。
しかし、欧州のCLP規則において結晶質シリカは、有害性分類されておらず、附属書VIには収載されていません。この理由は、CLP規則においては、有害性分類を行う対象は、市場に上市される化合物に対して行うとされているため、作業場での粉砕、研磨、切除等により鉱石から放出される結晶性シリカは、分類の対象外とされているからです。
欧州においては、作業場で発生する結晶質シリカ等の発がん性物質の作業者への暴露防止については、別途、指令2022/431/EU(がん原性物質又は変異原性物質への職場でのばく露に関するリスクからの労働者の保護に関する指令)で規制されています。
以上のことから、chemSHERPAにおいては、結晶質シリカを発がん性物質としての規制物質としては使っていないのです。
結晶質シリカについては、結晶質シリカ及び非晶質シリカのいずれも、そのCAS番号は、同じ7631-86-9が付与されています。発がん性は、結晶質シリカを0.1%以上含有する物のみが対象で非晶質シリカは対象外なのですが、chemSHJERPAにおいて、本物質を管理対象物質としているのは、その有害性ではなく、GADSLにおいて、以下の難燃剤としての用途に対して管理物質としているためです。GADSLにおける管理物質(フラグ「D」)は、chemSHJERPAにおける管理対象物質となります。
Silicon dioxide 7631-86-9は、GADSLにおける#113 Flame retardants corresponding to ISO 1043-4, required to address China Parts marking requirements該当します。
しかし、その用途が「難燃剤」に限定されています。難燃剤として使用している場合に管理対象物質となります。難燃材以外の用途では対象外になります。
chemSHERPAにおいては、一般的に、供給者は川下ユーザーにおけるすべての用途を把握していないので、原則的に、その用途で限定される管理対象物質として扱い、報告対象としています。しかし、サプライチェーンの川下まで、自社製品の用途が難燃剤ではないことを確実に把握されているのであれば、対象外として扱って結構だと思います。
参考情報
CLP規則第1条 (目的及び範囲)より
(i) manufacturers, importers and downstream users to classify substances and mixtures placed on the market;
(ii) suppliers to label and package substances and mixtures placed on the market;
