
顧客満足度調査の代表格として広く浸透しているNPS®(ネットプロモータースコア)。しかし近年、Web担当者やカスタマーサクセス(CS)担当者の間では、「スコアは安定しているのに解約(チャーン)が減らない」「数値が改善しても売上に直結している実感が持てない」といった悩みが聞かれるようになっています。
2026年の顧客体験(CX)戦略では、一つの指標のみに頼るリスクは高まっています。顧客の購買行動が複雑化し、AIによる比較検討が一般化した現代では、多角的な視点で顧客心理を捉える必要があります。
本記事では、NPSの限界を補完する最新指標とその活用法を解説します。また、複雑な調査をいかにシンプルに運用し、現場の改善に繋げるか。Tayoriを活用した「迷わせないアンケート設計」の実践術を紹介します。
【目次】
- なぜ顧客満足度(CSAT)だけでは不十分なのか
- 【比較】NPSと併用すべき「2026年の注目指標」3選
- 自社に最適なアンケート指標はどれ?「目的別」判断マトリックス
- 【Tayori】シンプル設計で、あらゆる顧客指標をスマートに収集
- まとめ:「複数の指標」を組み合わせた立体的な分析を
- よくある質問
NPSをより深く活用するために 顧客の離脱を防ぐには、推奨度だけでなく「顧客の手間(CES)」など多角的な分析が不可欠です。NPSと併用すべき最新指標の活用法は、以下の記事で詳しく解説しています。
〉〉NPS導入で自社成長を後押し|活用法や顧客満足度との違いを解説
なぜ顧客満足度(CSAT)だけでは不十分なのか
長らく重視されてきた「顧客満足度(CSAT)」ですが、現代のビジネスモデル、特にサブスクリプション型サービスにおいては、これだけでは不十分なケースが増えています。
その最大の理由は、顧客の「満足」という主観的な評価が、必ずしも「継続利用」という行動に直結しないという点にあります。
実際、「満足」と回答した顧客が離脱する「満足の罠(Satisfaction Trap)」は、多くのCS現場で確認されている共通の課題です。CSAT(顧客満足度)が測定するのは、あくまで「特定時点での一時的な感情」に過ぎません。そのため、サービスのスイッチコスト(乗り換えの障壁)が低い現代において、満足度スコアだけでは、競合他社の魅力的な提案に対する耐性や、将来的な継続利用の確実性を正確に予測することは困難です。
顧客ロイヤリティを可視化する「3つの評価軸」
顧客との長期的な関係性を築くためには、満足度の先にある顧客ロイヤリティを正しく理解する必要があります。ロイヤリティは、以下の3つの軸で整理すると構造的に把握しやすくなります。
1. 感情的ロイヤリティ: ブランドに対する愛着や信頼(好きだから使う)
2. 行動的ロイヤリティ: リピート購入や利用頻度の継続(使い続けている)
3. 経済的ロイヤリティ: LTV(顧客生涯価値)への貢献度(多くのお金を支払っている)
これらを統合的に判断するために、NPS以外の新しい指標の導入が求められています。
参考記事:顧客ロイヤリティとは?指標・計測方法・向上させるための5つの戦略
【比較】NPSと併用すべき「2026年の注目指標」3選
2026年の顧客調査において、NPSと組み合わせることで効果を発揮する3つの指標を紹介します。
1. CES(カスタマーエフォートスコア):顧客の「手間」を測る
現在、カスタマーサポート領域で最も重要視されているのがCES(Customer Effort Score/顧客努力指標)です。「その問題を解決するために、どれくらい手間がかかりましたか?」と問い、顧客の努力量を数値化します。
顧客維持率を支える基盤は、「感動体験」という付加価値の積み上げよりも、「負の体験」、すなわち顧客にとっての「手間」を優先的に解消することにあります。
なぜなら、顧客がサービスから離脱する主な原因は、プラスの体験が不足していることではなく、目的達成の過程で生じる「手続きの煩雑さ」や「返信の遅延」といったストレスが蓄積されることにあるからです。
特に、円滑な業務遂行が不可欠なBtoBサービスやインフラ系サービスにおいては、CESを改善し、「使い勝手の悪さ」という離脱のきっかけを徹底的に排除することが、解約率を抑制する最も効果的な施策となります。
参考記事:CES(カスタマーエフォートスコア)とは?重要性と改善するための3つの方法
2. センチメント分析(感情分析):AIで「行間の本音」を数値化
従来の選択式アンケートではこぼれ落ちていた「自由記述」の内容を、AIを用いて「ポジティブ」「ネガティブ」「ニュートラル」に分類・数値化する手法です。
2026年現在はAIの精度が飛躍的に向上しており、単語の羅列だけでなく、文脈から顧客の「喜び」や「潜んでいる不満」を自動で判別できるようになりました。数値化されたスコアの背景にある「なぜ?」を解明する武器となります。
3. CX(顧客体験):長期的な「愛着」を測定する新基準
CX(Customer Experience)は、単発の接触(タッチポイント)での満足ではなく、認知から購買、アフターサポートに至る一連の流れにおいて、一貫して価値を感じられたかを測定する概念です。 商品そのものの良さだけでなく、「サポートの心地よさ」や「Webサイトの使いやすさ(UX)」も含めた総合的な評価であり、ブランドへのファン形成度を測るための最も包括的な基準となります。
自社に最適なアンケート指標はどれ?「目的別」判断マトリックス
どの指標を採用すべきかは、解決したいビジネス課題によって異なります。
| 解決したい課題 | 最優先すべき指標 | 理由 |
| 解約(チャーン)を減らしたい | CES | 手間がかかるサービスほど、顧客は静かに離脱するため。 |
| 紹介や口コミを増やしたい | NPS | 第三者への推奨意向は、強い信頼の証であるため。 |
| 接客や機能の質を直したい | CSAT | 特定のイベント(購入・対応)に対する直接的な評価が得やすいため。 |
| 長期的なファンを育成したい | CX | 感情的な繋がりと体験の質を一括して把握できるため。 |
【解約防止】なら、解決の速さを測る「CES」を最優先
サポート品質を改善したい場合、CESは非常に有効な先行指標となります。「FAQが見つけにくい」「電話がつながらない」といった「顧客のストレス」を可視化することで、具体的な改善ポイントが明確になります。
【ファン形成】なら、推奨度を測る「NPS」を継続
マーケティング施策の効果を測るには、やはりNPSが適しています。ただし、スコアの変動を追うだけでなく、前述の「センチメント分析」を組み合わせて、推奨・批判の理由を深掘りすることが不可欠です。
【Tayori】シンプル設計で、あらゆる顧客指標をスマートに収集
複雑な指標を測定しようとすると、設問が長くなり回答率が低下するリスクがあります。Tayoriは、「回答者が迷わないシンプルなUI」を維持しながら、必要なデータを確実に集める運用をサポートします。
直感的な設問設計で、回答離脱を防ぎ「本音」を引き出す

Tayoriのアンケート機能は、あえて複雑な機能を削ぎ落とし、「誰でも迷わず答えられる」体験に特化しています。 2026年の調査設計において重要なのは、高度な分岐ロジックを組むことよりも、「今、一番聞きたいこと」を絞り込み、デバイスを問わずスムーズに回答できる環境を提供することです。Tayoriなら、指標の変更にも即座に対応でき、常に最適な設問セットを維持できます。
指標を「測って終わり」にしない。現場への即時フィードバック
アンケートの価値は、その結果をいかに迅速にアクションに結びつけるかにあります。Tayoriはアンケートの作成から集計・管理までを同一のプラットフォーム内で完結。 集計データは即座に可視化されるため、「分析に時間をかける」のではなく「現場で改善に着手する」ための体制を最小限の工数で構築できます。
まとめ:「複数の指標」を組み合わせた立体的な分析を
顧客との関係が複雑化する中、NPSだけに頼るのではなく、より多角的な分析が必要です。具体的には、CESを用いて顧客の不満点を解消し、NPSやCXを通じて顧客の愛着やロイヤリティを醸成するといった、複合的なアプローチが重要になります。
まずは、自社が今「解決すべき課題」を整理し、それに最適な指標を1つ追加することから始めてみてはいかがでしょうか?
よくある質問
指標を変えると、過去のデータと比較できなくなるのが心配です。
いきなり全ての設問を入れ替えるのではなく、数ヶ月間の「併用期間」を設けることを推奨します。
例えば、既存のNPSの後にCESの設問を一つ追加して相関関係を分析し、自社にとってより有効な指標がどちらかを見極めてから徐々に移行すると、データの連続性を損なわずに改善できます。
BtoB企業において、最も相性が良い指標はどれですか?
BtoBでは、感情的な満足度よりも業務効率(解決の速さ)が重視されるため、CESが最も相性が良いとされています。「使い勝手の良さ」がそのまま継続利用の判断基準になりやすいため、CESをKPIに置くことで継続率の予測精度が高まります。
「数字を追う調査」から「現場が変わる調査」へ。
2026年の顧客満足度調査で重要なのは、指標の数値そのものではなく、そこから得られた課題をいかに早く現場にフィードバックできるかです。
アンケートの作成・集計・管理を一つのシステムで完結できるTayoriなら、データ収集から改善アクションまでのリードタイムを最小限に抑えられます。顧客の声を、事業成長の確実なエンジンに変えてみませんか?





