サクラインターナショナル株式会社
IT事業部 部長 稲谷晃一氏
IT事業部 ソリューション課 課長代理 酒井彰人氏
社内外向けにフォームを作成できるツールを探していた。外部にアンケートやフォームツール作成を依頼していたがコストがかかっていた。
「社内スタッフ主体の使い方」と、「企業主体の使い方」の大きく2つに分けて全社的にTayoriの運用を開始。活用方法は各部署に任せた。
確認漏れや情報の行き違いがなくなった。自社でフォームを作成できる体制が整い、結果的にイベント運営におけるコストを削減できた。
サクラインターナショナル株式会社は、国内や海外で開催される各種イベントや展示会の総合企画からデザイン、施工、運営、コンテンツ制作、主催者向けのサポート業務までイベントに関する業務全般に携わっている会社です。コロナ禍を機にIT事業部を設置し、現在はオンライン展示会ツールの開発なども手掛けています。
同社では業務に必要な情報を管理するために、ITツールを利用する、外部に依頼してフォームを作成するなどして対応。しかし、汎用性に乏しい、限定した用途でしか構築できない等、業務を進めるうえで課題感を感じていました。
このため、自社でフォームやアンケートを構築できるツールが必要となり、Tayoriの導入を決定。Tayoriの利用背景と具体的な活用方法、導入効果について、同社IT事業部部長の稲谷晃一氏とIT事業部ソリューション課 課長代理の酒井彰人氏にお話を伺いました。
コロナ禍を機にオンライン事業に注力すべくIT事業部を立ち上げ
——御社の事業内容についてお聞かせください。
稲谷 弊社は、USA・UK・ドイツなど海外の専門技術誌・新聞の日本総代理店、いわゆる「Representative(レプレゼンタディブ)」として1972年に創業。現在は、国内及び海外の大企業から中堅企業・政府・地方公共団体まで、多種多様な企業のイベントの支援をしています。具体的には、展示会におけるブースの総合企画からデザイン、施工や運営のサポートまで、イベントに関する業務全般を主な業務として行っています。
酒井 創業当初から海外の案件も多く手がけており、コロナ禍前は売上の約3、4割が海外の案件だった時もありました。しかし、コロナ禍をきっかけに展示会を開催する機会が減少。もともと、弊社ではWeb関連の事業に力を入れていこうと考えていましたが、その矢先にコロナ禍となりました。そこで、この機にオンライン型の展示会の開催や、展示会で使えるオンラインツールの開発に力を入れるべく、IT事業部が立ち上がりました。
——「IT事業部」について教えてください。
稲谷 IT事業部には「情報システム課」と「ソリューション課」があります。情報システム課の主な業務は、パソコンサーバーやネットワークなど社内システムの管理。ソリューション課では、顧客向けにオンラインのツールやWebサービスの提案を行っています。ゆくゆくは、商品として提供できるツールもしくはサービスを自社で開発するのが目標です。
自社で社内外向けのフォームを作成できるツールが必要に
——「Tayori」導入の背景についてお聞かせください。
稲谷 社内でオンライン事業に取り組むうえで、「自分たちで簡単に構築できるWebフォーム」が必要だと考えていました。例えば、社内向けに各種申請や社内アンケートを取りまとめる際、Tayori導入前はグループウェアのような別ツールを利用していました。しかし、そのツールでは社内向けのフォームしか構築できないのが難点でした。このため、協力会社や取引先を含めた外部の意見を取りまとめられる社外向けのフォーム作成に対応できるツールを望んでいました。
酒井 また、展示会の運営では、来場者アンケートの取りまとめや顧客からの問い合わせ対応をする機会が多くあります。Tayori導入前は外部のシステム開発会社に依頼し、案件ごとにアンケートやフォームツールを作ってもらっていましたが、コストがかかるのが悩みでした。このような背景から、「自分たちでフォームやアンケートを構築できるようにしたい」と考えて、Tayori導入の検討を始めました。
——「Tayori」を最初に導入したのは、どの部署ですか?
酒井 弊社は「インテックス大阪」内にも事務所を構えており、そこで初めて利用しました。
稲谷 弊社では、インテックス大阪内でイベントを開催する際にインターネット回線の申し込みをサポートしています。インターネット回線の申し込みには確認事項が多く、依頼が来るたびに都度確認を取る必要があります。Tayori導入前はメールやFAX、電話で申し込み依頼を受けていましたが、該当部署から「申し込みをWebでできないか」と相談がありました。そのタイミングで「Tayoriを導入しようか」との話が出ていたため、手始めにインテックス大阪内でのインターネット回線の申し込みフォームを作成することになりました。
全社的にTayoriをフル活用 使い方は各部署に一任
——Tayoriに決めた理由を教えてください。
稲谷 簡単にフォームやアンケートを構築できる点が導入の決め手になりました。他社ツールも検討しましたが、複雑なことができる分、「使い方が難しい」「操作に慣れるまで時間がかかる」など気になる点もあり、決め手に欠けました。対して、Tayoriは操作性がシンプル。初めてTayoriを使う人でも、20分もあれば1つのフォームを完成できるレベルで簡単に使えるツールだと思います。
——どのような形で「Tayori」を利用していますか?
酒井 弊社では全社的にTayoriを利用し、フォーム、アンケート、FAQを作成しています。アカウントについては本部署で管理し、どのように活用するかは各部署に任せています。
稲谷 導入後、各部署では「Tayori担当」が自然と決まり、彼らが中心となりTayoriの活用方法を考案していると聞いています。例えば、アンケートでは文章が長いと顧客や来場者に読んでもらえないケースがあります。どのようにアンケートを作れば回答率が上がるのか、見やすくなるのかなど、各部署で工夫を凝らして作成しているようです。
——利用状況について具体的に教えてください。
稲谷 大きく2つあります。1つは、弊社のサービスやプロジェクトに申し込むためのフォームやFAQの作成、社内アンケートや協力企業向けのイベントに関するアンケートの作成など、「弊社のスタッフが主体となる使い方」。もう1つは、企業がイベントを開催する際の運営時の申し込みや意見の取りまとめなど「企業が主体となる使い方」です。
酒井 例えば、大きな展示会ですと数千単位の企業が出展します。イベント開催時はブースの数やインターネットの回線の申し込み、パイプ椅子の点数、弁当の数など、出展社に多くの項目を確認しなければなりません。確実かつ簡易に確認事項の回答を取りまとめるべく、私たちが主催企業の代わりにTayoriのフォームで取りまとめ業務を代行しています。
Tayoriでできないことは他ツールで 業務で使うツールの選択肢が増えた
——「Tayori」を導入したことでどのような効果がありましたか?
酒井 まず、最初に導入した「インテックス大阪」では、インターネット回線の申し込みにフォームを導入したことで確認漏れや情報の行き違いがなくなりました。導入前はメールの確認漏れが原因で回線の手配ができていないといったトラブルも見受けられましたが、今は大きな問題なく運営できているようです。
稲谷 イベント運営におけるコスト削減にも繋がりました。先述のとおり、Tayori導入前は外部に専用のフォーム作成を依頼していましたが、それなりに費用がかかっていたのも事実です。自社でフォームを作成できるようになったことで、外部に依頼していた分の費用を抑えられています。
——「Tayori」で気に入っている点は何ですか?
酒井 とにかく「使いやすい」点です。操作性が複雑ですと、どうしてもツールを利用するまでのハードルが上がってしまいます。顧客の中にはDX化が進んでいない企業もある現状もあることから、ITツールを使い慣れていない人にとって「使いやすさ」は大きな利点だと思います。
稲谷 Tayoriは他ツールと比較すると非常にシンプルなので、シンプルな使い方をするなら「Tayori」、複雑なことをするなら別のツールというように、業務で使うツールの選択肢を増やせたのは良かったと感じています。あとは、フォームの送信ボタンを押すと紙飛行機が飛んでいくUIが気に入っています。
——「Tayori」導入の際、どのようにして社内周知を図りましたか?
稲谷 基本的には会議で周知しました。直感的に操作できるので、特にマニュアルは作っていません。実際に使ってみて分からない点があれば、都度質問してもらうようにしています。
実際に自分たちが使って感じた「Tayoriの良さ」を顧客と共有したい
——今後、「Tayori」に何を期待していますか?
稲谷 Tayoriと別のサービスと連携させる使い方ができるようになると助かります。例えば、展示会ではオンラインで来場者の事前登録をしています。事前登録をすると来場者バッジが発行され、当日、会場でQRコードを読み取ることでチェックインできます。この「来場者受付システム」を構築するとなるとコストがかかりますが、Tayoriで代用できるようになれば利用シーンが広がると考えています。
今もTayoriで来場者情報をCSVで出力することはできていますが、今後のアップデートで、定期的にバッジを出力する、API化するなどの方法で外部のサービスと連携できるようになるとうれしいです。
酒井 また、今は海外企業が日本でイベントに参加する機会が多く、それに伴うサポートも増えています。多言語対応が実現するとありがたいです。
稲谷 現在、私たちは「業務効率の改善」を目指しています。世間には「Tayoriを使ったらより作業が簡単になる」と気付いていない企業が多くあります。そのような企業に対して、本部署としては「Tayoriを使えば効率的に業務を進められる」と伝えていきたいです。